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THE IDOLM@STER M@STER OF IDOL WORLD 2015の感想および蛇足

THE IDOLM@STER M@STER OF IDOL WORLD 2015、通称10thライブが終わって1週間。
ようやく、感想が書ける気がしてきたので、とりとめなく書いてみようと思います。
ちなみに両日現地でした。

◯1日目

 1日目は、本当に幸運にも、センターステージ目の前で見ることが出来ました。(席が判明した瞬間自分の身を思わず案じたぐらいw)


 春香の、「ドームですよ、ドーム」をまさかこんなに近い距離で聴くことができるなんて……。この時点ですでに泣いてましたが、逆に現実感が無さすぎて呆然としてた感もありました。

 この10thという節目、ドームという会場の特別さ、という点に関してはもう言うまでもないんですが、やっぱり、特に1日目は、演者さんたちの「覚悟」がこれでもかって言うぐらいに伝わってきて、ただただ圧倒されてました。

 9thのときは、1曲1曲をじっくりと聴かせに来てるような、「私たちををちゃんと見てね」という印象を受けていたのですが、今回はあまりにも怒涛のセトリで、「私たちについてこれる?」と問いかけられているような印象を受けました。ASの彼女たちがこれまで積み上げてきたものを、手加減なしに全て見せつけられたような。(後半は特に、新しい曲が来る度に、周囲からも歓声ではなく呻き声が上がってたような気がしますw)

 僕自身としては、『Pon De Beach』でヤーマンアロハしたり『ALRIGHT*』のあずみんの立ち姿に惚れたり『YOU往MY進!』でタオル振り回したり『空』の大合唱で泣きそうになったり『嘆きのFRACTION』の大化けに驚いたり『絶険、あるいは逃げられぬ恋』に崩れ落ちそうになったり『またね』のくぎゅの涙に動揺したり『風花』でただただ圧倒されたり『細氷』を祈るように見ていたりしていたんですが、光景として強く印象に残っているのは、メドレーの『太陽のジェラシー』の繪里子さんです。

 確か、アリーナAからセンターステージを見て左手、三塁側のステージで歌っていたのですが、ドーム一杯のサイリウムを前に、『太陽のジェラシー』を歌っている春香が、確かにそこに居ました。38000人の「マーメイ!」を、一身に受け止めているその姿と言ったら……! 万感の思い、というのは、きっと、こういうことを言うのでしょう。現地で、アリーナで見られて、本当に良かったと思えた光景でした。

 あと、センターステージの向こう側から、スポットライトがステージ上の演者さんに向けられるのですが、そのとき、スポットライトの輝きに演者さんが包まれる光景を何度かみることが出来て。それも、今、まさに輝きの中にいる彼女たちを象徴しているようで、尊ささえ感じました。

 総じて、1日目はアイマスのこれまでの「回答」を貰ったような気がします。ライブが終わったあと、「もう思い残すことはない」みたいなツイートをしてましたが、とても大きな満足感と、ほんの少しの寂寥感に浸っていました。

◯2日目

 1日目がある意味、儀式めいていたこともあって、二日目はもうお祭りになる、と確信していました。座席は1塁側スタンドB。ドーム全体を見渡せる位置という意味では、お祭りを楽しむには、うってつけの場所だったと思います。しかも、なんと、トロッコがほぼ目の前を通るというw 

 一日目が「これまで」であれば、二日目は「これから」となります。そして、「これから」を祝うためには、そりゃあもう楽しくなくっちゃいけない。そんな心意気をこれでもかってほどに感じるライブでした。もう本当に楽しいしか無かった。(最初から「READY!!」→「おねシン」→「Thank You!」→「歌マス」→「welcome!!」とかもうね……。)

 そして何よりもやっぱりあのメドレー!! メッセージ性と遊び心が詰まりに詰まった、まさに2日目を象徴するセトリだったと思います。特に、ジュリアとだりーなのトワスカは、10th前に、絶対やって欲しいって100回ぐらい言っていて、それが実現しちゃったので、ほんとにもうおかしくなってました。このとき若干腕が攣ってたりしたんですが、もうそんなのどうでもよくなって、全力で腕を振ってました。

 あと象徴的だったのが、未来と卯月の「素敵なキセキ」、凛と静香の「Never Say Never」という、デレミリの赤青の共演。そして、最後に皆で歌う「いっしょ」。アイマスの「これから」の希望が、このときはっきりと見えた気がします。

 改めて、デレミリ組の存在が、とても大きくなっていることを実感できたのが、2日目で一番嬉しかったことで。今回、ライブの構成として、シンデレラ、ミリオンとして、おそらくこれは絶対いれてくるだろう、っていう曲をあえて外していたところがあったと思います(シンデレラの凸レーションの曲、ミリオンのAS入りのLTHユニット曲等)。でもそれは、もうデレミリ組が全然特別扱いされていないってことだと思うんですよね。1日目、2日目ともに、今回のライブのセトリは、表現したいテーマが先にあって、それに合わせた選曲がされていることをとても強く感じました。同行者が、「意味に満ち溢れている」とライブ中語っていたのですが、おそらく、どの曲も、そこに配置されるべくして配置されていたと思います。そして、そういう配置の仕方ができることが、そして、ドームという大舞台で、ほぼ崩れること無く演りきったことが、去年のSSAからここまでで彼女たちが確実にステップアップしてきたことの証左ではないかと。

 ミリオンの話をします。幕張での2ndライブで僕が見たものは、各々の演者さんが、アイドルたちを演じていくことに対する覚悟でした。そして今回の10th。ミリオンは『Dreaming!』という新曲を発表し、そしてその途中のMCで山崎はるかは、春日未来として言いました。「また、ここに連れてきてくれますか?」と。10年目だって途上にすぎない、とは何度もディレ1やガミPが強調していたところでありますが、では、ドームという夢がひとつ叶った今、続けていくためには新しい夢が必要です。それを、「未来」という名前を背負ったアイドルが、「夢」と名付けられた曲中で、新しい「夢」を語ったのです。この、圧倒的な物語性……! そして、発表された37人全員出演の全国ツアー。それは、ミリオンが確かに、この先へ一歩踏み出していく、という覚悟に他なりません。これからも、アイマスがずっと続いていくこと、ずっと続けていくこと、そのことを、大好きなミリオンが示してくれたことがほんとうに嬉しかったです。

 1日目の「これまで」と、2日目の「これから」。この度のライブは、そのふたつをこれ以上ない形で示してくれた祝祭でした。2日間を通して、自分の中で、現在位置と、進行方向の確認が、出来たと思います。ほんとうに、いくら感謝をしてもしたりない。全力で叫んだ「ありがとう」が、届いていることを願うばかりです。

◯自分と、アイマスについて

 蛇足です。書きたくなっちゃたんだからちかたないね。

 昨日がちょうど、アケマス稼働から10周年(Twitterで知った)でしたが、僕はアケからのPというわけでは無く、もっと言えばアイマスのゲームに触れたのはミリオン、OFAが最初、ライブに関してはシンデレラ1stのLVからの参戦、という、ここだけ見ると本当に新参Pなのですが、アイマス自体が好きになったのはそれよりももっと前で、2009年頃に、ニコマスを見始めたことがきっかけでした。

 それまでニコ動では、ボカロや東方の方を先によく見ていたのですが、今回の同行者でもあるS氏に唆され(?)、ノベマス系から視聴を始めました。我ながら、ゲームを全然知らない状態でよくハマれたなあと思いますが、この頃のニコマスにおける動画の熱量はそれだけ凄まじいものが有りました。まさに、キャラクターがコンテンツを生み出していく、という光景。その、キャラクター自体が持ちうるポテンシャルの高さと、それを最大限に引き出そうとするニコマスPの熱意に、強く惹かれたんだと思います。キャラクターへの愛が、キャラクターを形成していく、という非常に幸せな関係が、当時も、そして今もずっと続いている。それが僕がアイマスが好きな一番の理由なんだと思います。

 けれど、それは言ってしまえば「皆が好きなアイマスが好き」ということでもあり、ずっと後ろめたさも感じていました。二次創作は大好きなのに、原作のゲーム自体に手が伸びなかったこと(学生だったこともあり、金銭面の理由が大きい)、もっといえば、たとえ、原作のゲームをやったとしても、ニコマスという二次創作を通して好きになった自分としては、好きの強さが、おそらくニコマスの大好きな動画のほうが上に来てしまうだろうということ。それは、あの、9.18で、発表内容そのものではなく、発表内容に対してショックを受けているP達に対して、ショックを受けたという状況が、自分の歪みを表している気がして、そういう意味でとても辛かった。だからこそ、9thの、繪里子さんの言葉に本当に救われたのですが。

 もちろん、アニマスの存在はとても大きくて、より、アイマスを好きになりました。なんというか、アイマスってやっぱりここまで描くことができるものなんだ、ということを、再確認できたという意味で。そして、ライブに参加するようになって、「アイドルマスター」というコンテンツへの、参加意識がここ数年で高まり続けている、というのが現状です。

 アイマス10thにあたって、ようやく、XBOX360を買い、『THE IDOLM@STER』をプレイしました。あの、春香の台詞を聴くために。結局、その台詞が聞けたのは、ライブの2日前だったりしたのですが、ドームライブに間に合って、本当に良かったと思います。多分、もともとゲームからファンになった人たちと同じように好きには、なれないと思います。でも、少しだけ、抱えていた後ろめたさは軽くなったような、そんな気がしています。

 そういった意味で、僕がミリオンにハマったのは、ゲームとしてのアイドルマスターを、最初から好きだった人たちへの憧れから来てる部分もあるかもしれません。今から何年後かに、彼女たちが大きくなった光景を、最初から参加していた立場で見ていたい。それこそ、アケマス、箱マスからのPたちが、今回の10thを迎えられたように。

 

まだまだ書き足りないものはたくさんありますが、とりあえず、ここまで。これから、忙しくなりますね。そういう風に今、思えることが、とても幸せです。

THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 2ndLIVE ENJOY H@RMONY!! 感想

4/4,4/5の二日間、幕張にて行われたミリオンライブの2ndライブに参加してきました。

さて、正直、何を書けばいいのか……。
とにかく、ミリオンがここまでやってきたこと全部を見せてくれたなあという印象です。両日現地で見られたことは、本当に幸運でした。
全部追っていくと書くこと多すぎて纏まらないので、今回も演者/アイドルごとに感想を。主にソロ曲にフォーカスを当てる感じになるかと思います。

両日出演者

◯山崎はるか/春日未来

春日未来として、ミリオンスターズのセンターとしての役割を存分に見せつけられました。ぴょん吉がこれまで感じているプレッシャーが大きかったことは、ぴょん吉自身がアイマスが大好きだってことを鑑みても容易に想像付くわけですが、今回はなにか吹っ切れたようなカッコよさを感じました。パンフレットのディレ1の「追いかける」という言葉があって、その先頭を走る役割を了承したんだなと、特に、2日目の「未来飛行」については、春日未来としての覚悟が現れていて、大トリにふさわしい説得力でした。

田所あずさ/最上静香

何より、「楽しい」っていう言葉が一番印象的でした。

ライブが始まる前は、1stの「リベンジ」*1として気負ってた部分が見られたのですが、特に2日目のMCで、何度も「楽しい」「ずっと笑ってる」って言ってたのが、今回のライブを象徴してるかなあと。パフォーマンスに関しては、一日目のCatch My Dream、二日目のPGともに、何も言うことがないです。強いてあげれば、よかったな、と。最上静香にふさわしい舞台で、万全に歌えたことが。

Machico/伊吹翼

各所で言われてますが、今回のMachicoの凄みは別格でした。ひたすらに、翼であろうとする覚悟を、MCからも、そしてなにより、二日目のbelieve my changeから感じました。あの迫力。元々、翼は美希と同じ系譜にいると思うんですが、あのステージのカリスマは、美希のそれを彷彿させていました。あの曲をもらい、あのステージを作れたことは、今後のミリオンにとって、とても大きな収穫なんじゃないかと思います。

◯朝倉もも/箱崎梨花

安定のもちょ。

やっぱりこの子は凄い。もう凄いのが当たり前になっちゃってるけれど凄い。何をやっても人を惹きつけますね。ソロ曲もそうなんですが、ユニット曲でのパフォーマンスもさらに磨きがかかっていて、まあ当初の想定通り撃ち抜かれましたwそしてMCについても、今回も全編通して天才でした。「全然おもしろくない(o・∇・o)」

雨宮天/北沢志保

天ちゃんかわいい!志保かわいい!

一番嬉しかったのは、天ちゃん自身の方が抜けて、とても楽しそうだったことで。それが、そのまま志保の成長に重なってるのがとても良かった。そしていい具合に肩の力が抜けた天ちゃん/志保が歌う曲が凄くないわけがなくて。一日目の「絵本」、二日目の「ライアー・ルージュ」両曲とも素晴らしかったんですが、特に「絵本」は完全にライブで化けましたね。ものすごい説得力でした。

◯夏川椎名/望月杏奈

 ナンスには、今回の敢闘賞をあげたい。まず1日目のハピダリを完璧に歌いこなすナンスを見て泣きました。ああ、多分自分の娘の成長を見る親の気持ちってこういうことなんだろうなあとかだいぶ気持ち悪いですが*2そんな感慨が溢れてきてしまって。ナンスの場合、杏奈になりきって歌うっていうより、杏奈と一緒に歌ってる感じがあるんですよね。すっごく仲良さそうだし。杏奈の隣に立っていることがとても自然に見えるんですよね。
 そして、今回のナンスといえば、あのSentimental Venusについての最後のMC。あの3人の中で最年少のナンスがあの場で、あんなふうに代表として挨拶をする、あのステキな奇跡となった感のあるトラブルをまとめあげる、という光景が、全く不自然ではなかったこと。なんというか、ちょっと背負わせすぎなんじゃないのか、とも思いましたが、あの姿を見て、もう黙るしかありませんでした。本当に、凄いよ。

伊藤美来/七尾百合子

 キャラクターとしての百合子っていうのはわりと良く分かるんですが、アイドルとしてこの子はどう魅せてくれるのか、正直な所イマイチピンと来なかった感がありました。でも、その答えはみっくが見せてくれました。2日とも、最後から3番目。トリへ向けて「繋げる」必要がある大事な場面。そこで、みっくの、百合子の歌っていうのは最高に存在感を示していました。ああ、そうか、百合子はこういう場で、一番輝く子なんだと。多分、主役にはなれない。だけれど、この子の、背中を押してくれるような表情と歌声は、確かに、周りの人達を勇気づけてくれる。そういう、優しさと明るさに溢れている百合子を、二日間ともにほぼ完璧に見せてくれたみっくもまた、この一年で驚くほど成長していました。ナンスとみっくはもう完全に安心して見ていられる二人ですね。あの笑顔、素敵過ぎる……。

渡部優衣/横山奈緒

 今回のライブで惚れ(直し)た人その1。もう完全にミリオンのトップバッターですね。初日の「ハッピーラッキージェットマシーン」での熱量と言い、二日目の「Super Lover」での死人がでるんじゃないかというぐらいの歌とダンスといい、その日の会場の雰囲気を見事作り上げていました。この、「ハピラキ」と「スパラバ」を両方出来るっていうところは奈緒の物凄い強みだなあと思っていて、ミリオンメンバーの中でも、比較的年長で、かつ器用な奈緒だからこその部分だと思っています。そして、それを見事に表現し切るゆい㌧。ゆい㌧もまた、ミリオンでの自分の役割をこのライブでちゃんと見つけたのかな、という気がします。そこから来る力強さを、ソロパートの一番最初に感じられたのがとても良かった。

 そしてMC。Sentimental Venusでのトラブルを、とびきりのポジティブな言葉で、カバーしたどころか、その日最高の盛り上がりに変えてしまったこと。最後のあいさつ(だったかな?)で、真っ先に機材スタッフへの感謝を述べたこと。その気配りに、本当に感動してしまって。そうか、これが推せるってやつなのか……! そして、きっと、奈緒も同じ状況だったら同じことを言っただろうなあと思ったりして、余計に嬉しかったです。

◯藤井ゆきよ/所恵美

 今回のライブで惚れ(直し)た人その2。なんといっても、「フローズン・ワード」のあの表情。曲の後半になるにつれて、溢れ出てくる何かを必死で抑えながらそれでもほぼ崩れること無く歌い上げた姿は、鮮烈に脳裏に焼き付きました。ゆきよさん自身、「この曲は気分が入ってくるといつも泣きそうになる」って言ってましたが、それは、きっと恵美の感情にそれだけシンクロできているってことで。恵美って言う子が、あの見かけ上ののフランクさに反して、深い内面を持っている子であることは、もう多くのPによって語られているところではありますが、その恵美の、一番コアな部分の感情――激情と言ってもいいかもしれません――が、この「フローズン・ワード」では表出してくるのではないか。ゆきよさんが今回やってのけたことは、その(恵美では制御しきれない)激情を自ら呼び込みつつ、パフォーマンスとして成立させるっていう、凄まじい事だったんじゃないかなと思っています。
 一方、MCでは、もう完全にメンバーの中で残念お姉さんポジションになってるのがもうたまらないですね、特に1stの様子を知っていると。もう間違いなくミリオンに無くてはならない存在ですね。

一日目のみ参加

小岩井ことり/天空橋朋花

 1日目の化け物枠その1。なんだったんでしょう、あの空間は……。騎士団の七つの誓いが読まれ始めた瞬間、会場の空気が一変しました。そこに、確かに朋花様が立っている。そして異様な空気の中で流れだした「Maria Trap」。あの場に、この曲の下に屈服ぜずに済んだ者は居なかったのではないでしょうか。それだけ、こっこさんのパフォーマンスは完璧でした。役者としての凄みをいちばん感じたのは、MCの様子からのギャップも含めて、この人だったかもしれません。

山口立花子/百瀬莉緒

 莉緒ねえは本当にかわいい。「Be My Boy」を今回歌ってくれて本当に嬉しかったです。莉緒ねえってキャラクターは曲を聞くことで補完される部分は大きいと思っていて、普段セクシーアピールがさんざん滑ってる残念美人としての立ち位置をほしいままにしている莉緒ねえが歌う曲の歌詞が「メールの返事に いったい何分かかってるんだろう」とか距離感気にしてイジイジしてる女の子なのが莉緒ねえの内面を表していていると思うと「お前はっもうっ」って感じで最高に愛おしくなるんですが、ともかく、その莉緒ねえの可愛さを存分に楽しめたステージでしたし、りかねえも、すごく自然に莉緒ねえを演じてくれていました。

◯戸田恵/舞浜歩

 「ユニゾン☆ビート」は実は1日目でいちばん楽しみにしてた曲でした。一度聞いた時から絶対にライブで聞いたら楽しいと思ってて、そしてやっぱり最高に楽しかったという(正直、この曲聴きながらジャンプ禁止は辛いw)。戸田さんに関しては、ラジオとかで今回のライブに対する不安をはっきり口にしているのを聞いていたので、ちょっと心配はしていたんですが、少なくとも今回のライブにおいて、楽しい場を作ることには間違いなく成功してたと思います。というか普通に歩として歌えてました。次回は、一人で会場を湧かせてほしいなあと思ったり。

木戸衣吹/矢吹可奈

 1日目の化け物枠その2にして、今回一番の事件。木戸ちゃんがとんでもないことになって帰ってきた! 「おまじない」でUO折ったのはいいんですけれど、あのものすごく楽しそうに歌う木戸ちゃんの姿を見た瞬間にぶわっと涙が溢れてきてしまってコールするどころじゃなかったです。可奈って子はやっぱりミリオンにおいて、ちょっと特別な存在だと思っていて、それは言うまでもなく、あの劇場版で、あの春香の言葉を、いちばん真正面から受け止めていた子だから。その子が、しかも一年前、「オリジナル声になって」で途中泣きだしてしまった子が、こんなに力強く、歌を届けてくれる。その姿は、春香の言葉を受け取って、そして一回りも二回りも大きくなった可奈の姿に完全に重なりました。ミリオンやってて本当に良かったと、心の底から感じた瞬間だったと思います。キャラクターの意思を、成長を、こうやって受け止めて、表現してくれる人がいるのなら、アイマスは、きっと、これからも大丈夫です。

駒形友梨/高山紗代子

 ちょっと木戸ちゃんのインパクトが強すぎてあんまり覚えてないのが大変に申し訳ないのですが、駒形さん、やはり非常に歌が上手かったことが印象に残りました。伸びやかな高音が素晴らしい。駒形さん自身、雰囲気が紗代子と重なる部分も多く、安心してみていられたステージだったかなあと思います。欲を言えばLTHの「vivid color」が聴きたかった……!

近藤唯/篠宮可憐

 1日目の化け物枠その3。近藤唯さん、非の打ち所無く、完全に可憐でした。LTHでの「夕風のメロディー」を聞いた時に、この子はなにか持っている、と強く感じたんですね。良く歌ってるときの声質や、普段の自分に自信がないところが、雪歩と被る、と言われていますが、この歌を聞いて、この子は決定的に雪歩とは違う、と感じました。雪歩の魅力は、ひたすら自らに打ち克っていく姿だと思う(それは9thでのFirstStepで見せつけられました)のですが、可憐の魅力は、全体を包み込んでいく力強さにあるんじゃないかと、この曲を聞いて思いました。そして、近藤唯さんの歌には、その力強さが痛いほどに伝わってきて。この人、実はMCの段階からずっと可憐を降ろしてきてるんじゃないか、と空恐ろしさすら感じました。ある意味、こっこさんとは真逆ですね。個人的な思入れを考えなければ、一日目ベストアクトだったかもしれません。

二日目のみ参加

村川梨衣/松田亜里沙

 やはり、りえしょんはりえしょんであり、そして亜里沙であるなあと。それに尽きます。役を降ろすとか降ろさないという問題をその従来のキャラでクリアしちゃってるんだからずるい。ともあれ全力で「Up!10sion♪Pleeeeeeeeease!」を歌える楽しさと言ったら! りえしょんにしか歌えないであろうし、りえしょんだからこそ亜利沙としての最高のパフォーマンスとなるという最高に幸福な関係だと思います。

上田麗奈/高坂海美

 2日間で最もアツかったのがだれだったかといえばやはり上しゃま演じるうみみだったと思います。じれハでも会場の温度を一気に上げていましたが、やはり「恋愛ロードランナー」のアツさは別格でした。完全に会場の空気がロックフェスと化してた気がします。上しゃまの普段の様子からはまったく想像ができないそのアツさは、やっぱりうみみのものであり、本当に楽しそうなのがなによりいいなあと。
 あと、上しゃまの進行MCやばい。MCのやばさは(o・∇・o)が群を抜いてると思ってましたが、これは別方向で振り切れてる感があって、いいぞもっとやれ。

大関英里/佐竹美奈子

 1stの時に比べて、ものすごく表情がやわらかくなってたことが印象的でした。美奈子はいろいろな意味でパワーファイターですが、今回のぜっきーはそれに負けないパフォーマンスだったんじゃないかと思います。「SUPER SIZE LOVE」の(死を覚悟した)P達の会場を揺るがす「おかわりー!!」の声は、間違いなく、ぜっきーを通して美奈子へと届いていたのではないかなあと思います(あとが怖い)。

◯愛美/ジュリア

 前曲からの過剰なまでの溜めからのギターを持っての登場、歓声が湧き上がる会場を指を唇に当てて黙らせ、さあ、ちゃんと見とけよ、と言わんばかりの悪戯っぽい笑顔で引き始める「プラリネ」のイントロのアルペジオ。もう、これ以上、何を言うことがあるのか。最後の「ありがとう」まで呆然としながらサイリウムを降っていました。ジュリアがこの曲を歌っているときのイメージは、「スタンドマイクを両手に持って声を絞り出す」というものだったんですが、今回、まさにそんな光景が見えて感無量でした。そして、今回のライブでそのイメージに、「笑顔」が追加されることとなりました。

高橋未奈美/馬場このみ

 「プラリネ」から「dear...」とか死人が出ますね。たかみなさん、今回が大きい舞台が初だって言ってましたが、とてもそうは思えないパフォーマンスで、圧倒されていました。dear...は名曲ですが、ライブで歌いやすい曲ではないと思うんですね。それを、あそこまで完璧に、しかもこのみさんとして歌い切ることができるって本当に凄いことだと思います。クラップが最高に心地よかった。

末柄里恵/豊川風花

 2日目ソロパートのトリ。ここまでの流れを見事に着地させた「オレンジの空の下」でした。2日目は3F席に居たんですが、一面オレンジの光景が素晴らしく美しかったです。2日目出演者のソロパートは、所謂キラーチューンだらけで、「dear...」の段階でわりと会場の雰囲気が加熱し過ぎてしまっていた感がありましたが、それを、見事に美しくクールダウンさせてくれたことは、実はとてもすごいことなんじゃないかと思います。そう考えたときに2日目に風花は絶対に必要だった。そして、その風花をちゃんと演じきったスージーさんは、本当に立派だったと思います。

総括

本当なら、セトリのすごさとか、ユニット曲の素晴らしさとかまだまだ語ることは尽きないのですが、とりあえずここまでで。
あらためて、アイマスライブで見たいものってなんなんだろうなあと考えてみると、もちろん、歌、ダンス、トーク、演者さんの表情、そして一面のサイリウム、その他諸々ではあるんですが、何より、それらが組み合わさった先に、「アイドル」を見たいんだと思います。演者さんが、演じる「アイドル」と重なる瞬間、それが、最も深い感動を呼ぶ。それを、僕は9thでとても強く感じました。そして、今回のミリオン2ndで、各演者さんが、間違いなく、その方向を向いていると確信ができました。そこに、アイマス「この先」への道が伸びているのを見た人は、きっと、僕だけじゃないと、そう思っています。さあ、次は10thだ……!

*1:脱線になりますが、1stの件について、結果的に美談になったのに、本人がずっと本気で反省してるのはとても好感がもてます

*2:そもそもそこまで歳離れてない

THE IDOLM@STER 9th ANNIVERSARY WE ARE M@STERPIECE!! 感想

9th、終わりましたね。

とにかく、この、ぶわっと溢れてるものをできるだけ残しておきたいので、感想レポ書きます。(ちなみに、自分はニコマスアイマスを知って、ハマって、5年間ぐらい、ほぼニコニコ経由でアイマスを追いかけていて、今年になって、ライブに行き始め、ミリマスやらOFAやらもプレイしはじめた、という立場です。)

名古屋現地、東京LV両日参加でしたが、とりあえず、東京公演、特に二日目重点を置き、個人個人にフォーカスして書きます。あと、自分で感じたことを垂れ流していく感じなると思うので非常に読みにくくなると思います。(誰に断ってるんだって感もありますが)

天海春香/中村先生

なによりも、『太陽のジェラシー』だったと思います。
『太陽のジェラシー』って、春香さんの成長を象徴する歌だと思うんですね。
ニコマスを見てたので余計にそう思ってしまうのかもしれませんけれど。
天海春香の始まりの歌であり、ずっと、寄り添ってきた歌。
確かに、ここにいる天海春香は、始まりからずっと頑張ってきて、ここにいる。
僕自身は始まりなんて、それこそネットのアーカイブでしか知らないので、こんなことを思うことは、おかしいのかもしれませんが、確かに、そう感じました。
中村先生の「天海春香役の中村繪里子です」という言葉の重みが、ありったけに詰まってた、そんな『太陽のジェラシー』だったと思います。
今回、中村先生に関してはMCが本当に素晴らしくて。(うろ覚えなので実際の言葉とは違うと思います)
「プロデューサーさんがいる限り、私はアイドルです!」
アイマスへの関わり方は、人それぞれでいいと思うんです」
「プロデューサーさんとお呼びしてますけれど、本当はどうでもいいんです、皆さんがいてくれるだけでいいんです」
僕は、救われました。
中村先生が天海春香で、本当に良かったです。

双海亜美・真美/あさぽん

今回のライブを通して、あさぽんはやっぱり天才だと確信するに至ったのですが、まあそれは当然のこととして。
LV組としては、カメラに向けてのパフォーマンスをとても意識してくれてたのが嬉しかったです。
あさぽんは、徹底してエンターテイナーであって、それはきっと亜美真美の精神ともつながってて。
歌が完璧に亜美真美であることはもちろん、ごく自然に、亜美真美のパフォーマンスをやれてしまう、というところに、あさぽんの凄みがあるんだと思いました。
一日目はタオルも振り回せたし、最高に楽しかったです。TOKYO。

菊地真/宏美さん

宏美さんも、あさぽんとある意味同じで、ごく自然に真がやれてしまうところが本当にすさまじいというか。
トークの面白さも、あさぽんとはまた違った感じで、マイペースでかつレスポンスが上手くてとても笑わせてもらいました。まっこまっこりーん!
歌に関しては『迷走マインド』で圧倒され、『自転車』で叫び、『チアリングレター』で泣いて、という感じで、真のすべてを味わえたのですが、
こと宏美さんに関しては、待ち受けプリンスやlivEでのパフォーマンスがとにかく圧巻過ぎて倒れそうになりました。菊地真(女も男も死ぬ)。


萩原雪歩/あずみん

今回、一番盛り上がってたのは『Kosmos, Cosmos』だったと思うのですが、僕個人的には『FirstStep』がベストでした。

いやマジで表情がやばかった。なんて笑顔で歌ってるんだろう。LVだったので本当にじっくりと表情を見ることが出来たのですが、あそこには雪歩が、確かに、いました。MCで雪歩の名前を観客が叫んだ時、きっとあずみんは雪歩をあそこに呼んだんだと思います。ここまでの積み重ねで涙腺がやばかったのもあって、ボロボロ泣いてました。
あ、それと。衣装がエロくてとてもよかったです。あずみんに関しては、実はLV組大勝利なんじゃないか。


我那覇響/ぬー

ぬーは今回カッコよさより可愛さのほうが目立ってた印象です。『幸せのレシピ』とか脳内で「かわいい、かわいい」としか言ってなかった気がします。

とはいえ、Rebellionで真実の赤は最高にアガりましたし、一日目のオバマスなんかはちょっと自分でもおかしくなってサイリウム振ってましたが。
もう、普段、意識することはなくなったんですが、今回は、響、高音がもともと765のライバルだったということを思い出させてくれて、その上での「今」を見せてくれたんだと思います。
ぬーが歌いたかったと言ってた『shiny smile』、そして一番最後の曲『初恋』。ただただ、素晴らしかったです。


水瀬伊織/くぎゅ

くぎゅうううううううううううううううううううううう

すみません、取り乱しました。ちょっとなんなんですかね、あのかわいさ。反則でしょう。
歌が可愛いくてマジ最高なのはもう言うまでもないんですが(それでもSSAのプロモで見た時よりもすごく伊織だったのですごかったんですが)、MCで完全にやられました。伊織としての「この変態!」もそのあと照れてるのも、そして最後、涙流しながら「サイリウムもっと振ってください」まで合わせて、完璧でした。
くぎゅをライブで見たのは東京公演が初めてだったのですけれど、まさかあんなにかわいい人だとは思ってなかったです。
歌も本当に素晴らしくて、『キミはメロディ』でまず死ぬ、『Sentimental Venus』でテンションMAX、『my song』で昇天、みたいな感じでした。


四条貴音/はらみー

一日目、打ち上げで一緒にLVに行った先輩と飲んでた時、「はらみーはほんとに凄い、見る度に違うものを見せてくれる」みたいな話をされてたんですが、ほんとに、はらみーの演技力っていうのは天井知らずなんじゃないかと思わせられた9thでした。アイマスライブでつくづく思うのが、歌ってる時、ガールズが最高に綺麗に見えるってことなんですが、それを一番思い知らされるのがはらみーなんですね。『PrincessSnowWhite』での笑顔の可愛さであったり、そのあとの『風花』、『ふたつの月』のときの、妖艶で、かつ、研ぎ澄まされた真剣のような表情は、(普段の言動とのギャップもあるとおもうのですが)とにかく目が一瞬も話せないくらいの魅力に溢れ、圧倒されていました。そして、これでトリじゃないという恐ろしさ。

 

如月千早/ミンゴス

まず、初日の『Blue Symphony』について言っておかなきゃなりません。ミリオンPの僕、イントロで即死。ひょっとしたら、と思ってたんですが、まさか本当にやってくれると思わなかったです。そして、あの言葉。メンバーの名前を呼んでたところは聞こえなかったんですが、「新しい翼をくれてありがとう!」という言葉に、崩れ落ちそうになりました。ミリオンの千早のことを、そういう風に思ってくれていることが、何よりも嬉しくて。その後の『眠り姫』のイントロの鐘が福音の鐘に聞こえたミリオンPは自分だけではないはず(言い過ぎ)。
そして、二日目。『Fate』でぶっ飛ばされた後の『蒼い鳥』は、これまでにない緊張感に満ち満ちていました。ミンゴスが、歌ってる時に千早を降ろしてきている、というのは、名古屋公演からさんざん思い知らされてたんですが、それにしてもちょっと異様な雰囲気でした。LV組だったので座ってみられた(途中まで立ってたんですが、周り全員が座ってるのに気づいて慌てて座った)んですが、ずっと、息を呑んで聞いていました。そして、ラストソング、『蒼い鳥』の、ある意味神聖さすら感じる雰囲気のまま始まった『約束』。LVのカメラはミンゴスの顔から全く動きません。その表情は、とても綺麗で、でもどこか危うくも感じて。そして、歌の力は常にトップギアで。
本当に、本当にギリギリのはりつめた雰囲気の中、聞こえてくるわけです、みんなの声が。まず、今日一番の鳥肌が立ちました。そして、画面に、みんなの姿が写って。
そこから先は、もう、言うまでもないと思います。
ずっと、号泣してました。
最後、ミンゴスが歌えなくなってしまったのを、みんながカバーして歌い、ミンゴスが泣きながら頷いてる。それは、演出としては20話の再現を意図したものかもしれませんが、その意味合いはきっと違っていて。千早は、もう歌えます。『Blue Symphony』で言ってたように、新しい翼も、持ってます。その上での『約束』です。20話の時は、歌えなくなってしまった千早が、歌えるようになりました。でも、今の千早は、もう、歌えるんです。むしろ、今回はみんなが来たことで、歌えなくなってしまった(当然ネガティブな意味ではないです)。そして、そんな時でも、自然と仲間が支えてくれる、包み込んでくれる。それは、もう、たまらない光景で。あさぽんが、「新しい『約束』が聴けました」と言ってましたが、本当に、そのとおりだったと思います。765プロの、仲間の姿を、最高の形で見せてもらいました。本当に、ありがとうございました。そして、その後のM@STERPIECEは、泣きながら歌ってました。多分、一生の思い出になると思います。

全体を通して

これ以上なく素晴らしいライブでした。実は、ちょうど10月5日が自分の誕生日だったんですが、この上ないプレゼントでした。そして、自分はなんてものを好きになってしまったんだろうという気持ちにもなっています。あと、自分には何ができるんだろう、とも。
時間がちょっとやばいのでこのへんで筆を置きますが、最後に、もう一回。

本当に、ありがとうございました。

THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 1stLIVE HAPPY☆PERFORM@NCE!! に行ってきて、思ったこと。

ミリオン1stライブに行ってきてから完全に頭のなかがアイマスに染まってるのでちょっと書きます。

参戦は2日目だけLVに行って(1日目行かなかったことに死ぬほど後悔しましたが)ライブ全体の感想としては、もう大満足で、出演者の方々が本当に精一杯、最高のステージを作ってきてくれたんだなあってことが伝わってきて。
アイマスのライブ参加はシンデレラのLVに行ったのが初めてで、これで2回めなんですが、アイマスライブってこんなに素晴らしいものなんだなあと改めて実感しました。

なんというか、もうゲーム、アニメ、声優とか、個別のカテゴリをふっ飛ばして、「アイマス」っていうコンテンツのもとに、みんなが集まっている。
あまりにも当たり前のことなんですが、なんというか、その「アイマス」って存在の大きさを見せつけられたというか。

特に今回のライブに関しては、ミリオンが765プロであるってことが本当に強く感じられて。
それはなんというか、とても大変なことだと思うのです、やっぱり。

各所で言われていることだとは思うんですが、アイマスって10年続いてる化け物コンテンツなわけで。
でも、10年続いちゃってるってことは、アイマスというコンテンツが「中の人」の依存度が大きい故に(その点、東方とかボカロとは大きく違いますよね)、どうしても時間の限界っていうのも見えてきてしまって。そんななかで、シンデレラ、ミリオンは、登場当初よりも、時間が経てば立つほど、存在が大きくなら「ざるを得ない」んですよね。

で、正直いってしまうと、ミリオンってシンデレラよりも影が薄かった、と思うんです。それは、シンデレラがソシャゲのサービス的に大成功している中での後発だったということもあると思うんですが、なんというか、キャラクターの強さが、シンデレラ比べると、やっぱり弱かったかなあと。ぶっちゃけ、ゲームちゃんとやってないとよくわからないんですよね、ミリオンのキャラって。

ある程度ゲームプレイし続けてみたり、ドラマCD聞いてみたりすると、むしろものすごく芯の強いキャラクターばっかりだってことがわかるんですが。なんというか、キャラデザのせいもあると思うんですけれど、特にアニマスの765AS組に似てると思うんですよ。言い方が良くないかもしれませんが、ちゃんと「生きてる」キャラクターとして作ってるから、逆にぶっ飛んだ個性(シンデレラの杏みたいな)を持ったキャラがいない。

あ、もちろんだからシンデレラが薄っぺらいなんていうつもりは全くなくて、ただ、ミリオンはやっぱり「あの765プロ」の世界にいても全然違和感が無いキャラとして生まれてきてるんだなあと思うんです。だから、劇場版でも後輩として登場出来た。でも、逆に言うと、「後輩」からのスタートってかなりしんどいんじゃないかなと思うんです。(その点、シンデレラはミリオンよりも自由なんじゃないかと思えます)。

アイマスという世界観の中で、「後輩」というポジションが与えられてしまったミリオンが、今後「主役」となっていくためには、やっぱりそれこそ、「後輩」から「主役」の役割を与えられないときついんじゃないか、と思ってしまって。そしてそれは、現状のサービスだけだとやっぱり限界があるよなあと。シンデレラ以上に、公式からのバックアップが無いと息切れしてしまうんじゃないかとやっぱり思ってしまうんです。今年に入ってから、劇場版、SSA、1stと怒涛の勢いで来ましたが、このまま突っ走っていけるのかなというとやっぱりなんか不安になるっていうのが正直なところで。

なんかネガティブっぽく書いてしまいましたが、ミリオンのキャラクターが(中の人含めて)、僕自身、本当に魅力的だと思っていて。どうにか続いていってほしいなあと、今、強く思っています。絶対に、それだけのポテンシャルを持ってると思うんです。たとえば、据え置き機でゲーム出すのでもいいし、あるいはミリオンのイベントをモチーフにしたアニメ(ミリオンのイベントは映像映えするものがものすごく多いです。アイドルヒーローズとか)とかでもいいかもしれませんが、今後、ミリオンを主役にしたコンテンツが、もっともっと盛り上がっていって欲しい、いまはそんな気持ちでいっぱいです。

なんかものすごくとりとめないかんじで書いてしまいましたが、
ミリオン1stライブ、ほんとうに、素晴らしいライブだったし、ミリオンがとても好きになりました。これからも「応援するよ!」

『中二病でも恋がしたい!戀』 感想(『AURA』もあるよ)

 ああ幸せだ幸せだ。こんなにも優しい世界をみせてくれるなんて。

 

 『中二病でも恋がしたい!戀』は今季のアニメの中で僕が見ていて一番幸せなアニメです。中二病の再肯定を成し遂げた第一期から続いたこの第二期は、じゃあその肯定された生き方のままでどのように幸せに日々を送っていくのか、という(今のところは)微笑ましい試行錯誤を描いています。

 

 そこで、第一期以上にスポットが当てられているのが、周りのクラスメイトたちです。立花の中二病の振る舞いに対しても特に気にせずに付き合ってくれたり、修学旅行で立花と勇太を茶化したりしてくれるクラスメイトたちが、印象的に描かれています。それがやっぱり僕にはとても幸せな光景に見えるし、さらに言えば、これまでの中二病を題材にした作品ではなかなかきちんと描けてこなかったものでもあるのかなと思うんですね。

 

 第一期放送時ですが、『中二病でも恋がしたい!』を見て、ラノベに少し詳しい人ならすぐに思い浮かんだであろう作品があります。『AURA~魔竜院光牙最後の闘い~』というライトノベルです。当時、既に『人類は衰退しました』でラノベ作家としても一定の評価を得ていた田中ロミオが書いたこの作品は、やはり中二病(作中では「妄想戦士」と名付けられていました)を描いていましたが、スクールカーストを題材にしており、まさに中二病の「イタさ」を前面に押し出していました。この作品がすごいのは、その上で、きちんと中二病を救ってあげられているところです。その点、『中二病でも恋がしたい!(第一期)』は、『AURA』の後発でかつ、勇太と立花の設定が『AURA』と完全にかぶっていて、それでいて、立花の中二病の背景として語られるのが家族の死という、かなり個人的な事情(=中二病を立花個人の問題にスケールダウンさせてしまっている)だったということもあり、少なくとも僕の中では『AURA』に比べて「少し物足りないなあ」と思っていたものでした。

 

 その『AURA』のクライマックスシーン、主人公佐藤一郎に向かってヒロイン佐藤良子(もちろん重度の中二病患者です)が叫ぶ言葉があります。以下、引用します。*1

 

「一郎こそ、この世界が楽しいと本気で思っていると?」

「それは」 嘘のつけない質問を投げられた。

「・・・・・・・そうさ。普通の高校生らしさになじめない人間だよ、俺は。けど、こうやって頑張ってんだろ!」

「私は頑張れない」

「何で頑張れないんだよ!」

「狭量だから」

「誰が」

「世界が」

 

 今読み直してみても、ここまでシンプルに、的確に中二病モノの葛藤の本質を突いた言葉を僕は知りません。ロミオ先生まじ凄い。『AURA』はその狭量な世界でも何とか生きていこう、という終わり方を(一応は)します。

 

 翻って、『中二病でも恋がしたい!』は、スクールカーストなんてものは一切描かれません。葛藤しているのはもっぱら中二病な本人たちだけで、周りのクラスメイトは彼らのその過去や現在の振る舞いに対して拒絶をしません。それは第一期からそうでしたし、第二期ではそれがもう少し過剰に描かれています。寛容なのです。世界が。それに対してともすれば批判する向きもあるかもしれません。現実はこんなもんじゃない。甘すぎると。

 

 でも、本当にそうだろうか、とも僕は思うのです。『AURA』の描いていた世界の狭量さは、確かに存在するでしょう。でも、実際にはもう少し世界は寛容なのではないか。中二病でも恋ができるし友だちもできる、自分をちゃんと肯定できさえすれば。そのくらいの寛容さがあふれている世界が僕は幸せだと思うし、そういうのを少しは期待してもいいのではないか。『中二病でも恋がしたい!戀』はそんなふうに思わせてくれるのです。それは一期、つまり『AURA』的な手続きを踏まえたからこそ描けていることであり、そして、『AURA』が描けなかったことを描けているのではないかと僕は思っています。だから、僕はこのアニメを見てとても幸福なのです。そう、自己肯定がちゃんと救われる、この世界が見たかったんだと思わせてくれるから。

 

 

  

AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~ (ガガガ文庫)

AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~ (ガガガ文庫)

 

 

 

*1:ちなみに、このシーンに関しては劇場版で花澤香菜さんが本当に素晴らしい演技をしているので、まだ見てない人は是非ともレンタルでもいいので見ていただきたいです。最近見たアニメ映画の中ではダントツで良かったと思っています。

『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』 感想【ネタバレ注意】

 

色々細かい点で気になったことはあるのですが、やっぱり春香さんが素晴らしい映画だったというべきでしょう。というわけで春香さんがいかに素晴らしいかについて書きます。

 

春香さんにとってのアイドルっていうのは、「アイドル」って概念そのものです。

 

恋に恋する,とはよく言いますが、春香さんにとっての「アイドル」っていうのもたぶん、最初、そういうふうに見えると思うんです。

でも、何がヤバイって、それが、奇跡的にずっと崩れずに保持されてしまっていることです。恋に恋するって言葉がいつか現実的な人付き合いの難しさに幻滅するという前提で使われているように、「アイドル」って存在も、実際に自分がその立場になったら自分の想像とのギャップに苦しむはずなんです。春香さんは,他のアイドルと違って,自分の目的のためのアイドルではなく、「アイドル」のためにアイドルになったから。でも、アニマスの春香さんはそうじゃない。どんなにつらい思いをしていても、理想と違う扱いであっても、春香さんにとっての「アイドル」っていうのはずっと揺らいでないように思える。唯一、アニメの最終盤を除いて。

 

そこで、思ったのです。恋に恋する、なんて次元じゃない。きっと、春香さんにとって、「アイドル」という形は最初から決まってなかった。だから、きっと、自分がアイドルになった、そこから、春香さんの「アイドル」の中身というのは作られていったのではないか。春香さんにとって「アイドル」とは理想なんかじゃなかった。ただ、自分の中にその存在だけあって、全肯定すべきもの。だから、揺らぎようがない。春香自身がアイドルであること自体が春香の中の「アイドル」を形にしていっているのだから。そりゃ凡庸な個性なんて出てくるはずがない。春香さんの個性っていうのはつまり「アイドル」であること、それだけなんです。それだけでいいんです。もう、なんなんですか、それ。全く普通じゃないです。

 

アニマスのクライマックス、最終23,24話は、春香さんにとっての初めての挫折が描かれていました。でも、その挫折っていうのは、美希や千早のように、「自分がこうだと思っていたアイドル」への幻滅からくるものじゃありません。春香さんのエピソードがアニメの最終盤に来てる意味は何なのでしょうか。それは、そこまでのエピソードによって、春香さんにとっての「アイドル」が形作られていたからにほかなりません。もちろん、プロデューサーに大怪我をさせてしまったという事実はショッキングでしたが、春香さんの挫折は、それ以上に、それまで春香さんが実際のアイドル活動を通して積み上げてきた「アイドル」が崩れかけてしまったという描かれかたをされていました。だから、春香さんはもう一度自分の中での肯定すべき「アイドル」を見つめなおして、事務所のみんなの力も借りて、復活します。でも、結局、春香さんにとっての「アイドル」は最後まできちんと言葉にはされなかった。

 

そして劇場版でそれは叶いました。春香さんの中の「アイドル」の表明が、アリーナでのあのシーンです。あそこで春香さん、そして765プロのみんなは泣いちゃいます。その涙の理由ってなんだったんでしょうか。多分、フツーに見るとちょっと違和感があるシーンだと思うんですよね。確かに感動的なシーンだったけれど、特に765プロのみんなの反応は、単に春香さんが決断して、可奈を説得できたから、と言うもの以上の、何かがあったと思うんです。それは、きっと、春香さんが自分にとっての「アイドル」を初めて、形に出来た、表明できたことの感動、だったのではないでしょうか。あそこで、春香さんは自分の中で存在だけあった「アイドル」をついに言語化出来たわけです。それは、春香さんが頑張って、頑張って、ついに見つけた、自分自身の表明でもあるわけです。それが深い感動を生んでいる。それだけで、この劇場版は素晴らしい、と手放しに褒めてもいいと思います。だって、(僕はゲームをやっていませんが)ゲームの頃から延々と春香さんをある意味で縛っていた、「アイドル」であることに、きちんと答えを与えてくれたのですから。