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アイドルコネクトについて 『Star*Trine』発売記念イベントを終えて

2017年9月17日は、どうやら忘れられない日になりそうだ。

『アイドルコネクト』( http://www.idolconnect.jp/ )という二次元アイドルコンテンツがある。大元は、2016年8月にリリースされ、僅か3ヶ月でサービスが終了したスマホ向けアイドルゲームである。

わざわざ「コンテンツ」という言葉を使ったのは、サービス終了後も、「ストリエ」で細々と新作エピソードの更新( https://storie.jp/creator/61294 )を続けていたり、未発表曲を収めたアルバム『キミが一度笑うなら、千回わたしは歌うんだ。』(しかし何度読んでもエモい表題だ)を発売したりと、なんとか活動を続けていたからである。

この際言ってしまうけど、この展開を追っかけていた人たちにとって一番大きな思いは未練だったと思う。本来であれば、他の数多くの二次元アイドルコンテンツと同様に、ゲームというプラットフォームを中心に展開されるはずのものが、それを失ってもまだ進み続けているという状況は、まあ、いろいろな比喩が思いつくと思うけど、少なくとも純粋に前向きなものではないだろう。

そんな中、2017年7月末に、登場アイドル全員が歌う、いわゆる全体曲として『Star*Trine』の発売発表と共に、発売記念ミニライブイベントが発表された。もちろん嬉しかった。彼女たちの歌を聴ける機会なんて訪れないと思っていたから。でも、このイベントがどういう意義を持ちうるか、ということについては、これまでの状況を考えれば、少なくとも自分の中での一番現実的な回答は「覚悟」だった。

ここで『Star*Trine』の歌詞をいくつか引用しておく。

"繋げていたい 星が足りなくても キミに放つ スタートライン"

"終わりの場所気づいても 星をたどり(星座結び) つなげていくの*キミ*まで!"

"初めの気持ち、無限の夢に変わる 「自分でありたい」 いつか笑う自分に ゆびきりをした"

 

当日は台風が近づいてきており、開催も危ぶまれたが、幸いなことに17日中はまだ関東には届かず、来場者も十分に集まっていて、まずその点で安心した。自分の列は前から4番目で、比較的ステージがよく見える場所だった。席には恵まれていたほうだろう。出演者はアイドル9人の中の3人、「春宮空子」役の森千早都さん、「瀬月唯」役の相坂優歌さん、「高花ひかり」役の芝崎典子さん。「せめてソロ曲が聴ければ……」、という思いで開演を待っていた。(以下、一気に書きます)

20:00、会場が暗くなり、始まるイントロ。まさかのソロ曲からのスタート! 空子を思わせる衣装で、『空になるよ、このハピネス』を歌う森さん。びっくりしたのが、ダンスの振りが本格的だったこと。「ちゃんと”ライブ”をやってくれるんだ!」ということに、まず感動していた。少なくとも、ちゃんとこの場を「ライブ」として作ろうとする意思が感じられた。その後、ひかり役、芝崎さんの歌う『spica heart』、唯役、相坂さんが歌う『恋する私←New!』が終わってMC。このイベントが開催されたことに対して、演者としても驚きだった、と冗談めかしながら話す様子に救われた気分になった。キャラクター同士としてののわちゃわちゃも見られてだいぶこの時点で気分は上向いていたと思う。そして「まだ終わりじゃないからね」というような旨を言われ、「えっ?」と思う間もなく、「がんばってね、空子」と唯として声をかける相坂さんと、それに続き舞台袖に下がる芝崎さん。そして、空子、もとい森さん一人がステージに立ち、なんとソロの2曲目が始まる。まさかの連続だ。1曲目の時よりも自然と応援に力も入る。空子曲『青春ハイタッチ』でクラップを煽る森さん、アイコネ一難しいだろうひかり曲『あなたらしく私らしく』を歌いきる芝崎さん、『WHITE PAGE』の唯として完璧なパフォーマンスを見せる相坂さん。そして2回目のMC。興奮冷めやらぬ中、スクリーンが下りてくる。写されるのは『アイドルコネクト』のキービジュアル。この日三度目のまさか。そして発表される「ノベルアプリ化決定」の報。大歓声の会場。演者さんからの「ノベルアプリだよ勘違いしてない?」。そんなわけがない。それこそが最も望んでいたものだったんだ。そしてこの日歌われる最後の曲はもちろん『Star*Trine』。なんなんだこれは、あまりにも出来過ぎじゃないか。この日一番夢中になってペンライトを振った。ライブが終わり、最後のあいさつは「またね」。この言葉を信じられるイベントになるなんて思ってもみなかった。演者さんがはけた後も、拍手はなかなか鳴りやまなかった。それはきっと祝福だったのだと思う。

二次元アイドルコンテンツ、というものは厄介なもので、そこで生まれたキャラクター達は、好きになってしまった時点で、少なくとも自分の中で確かに存在してしまう。特にソーシャルゲームという形でそれが提供される昨今では、リアルタイムで更新され続けることで存在を証明し続けるものでもあるだろう。そのような形は確かにキャラクターの実在性を強くしたけど、そのためにはもちろん誰かがずっと動かし続けなければならないわけで。閉じることを明示されない強さは、どこかで望まれない終わりを迎えてしまうというリスクとのトレードオフだ。是非はともかく、そうなってしまっている状況の中で『アイドルコネクト』が終わらなかったことは、本当に幸運だとしか言いようがなくて。そういうものに立ち会えたことを大事にしたいし、イベント前に抱えていた「覚悟」は正反対のものにはっきりと変わった。

 イベント翌日、『Star*Trine』を聴きながら部屋の外に出ると台風一過の青空が広がっていて、こういうことに意味を感じても良いよねと思ったのでこの文章を書きました。
 アイコネ、これからもついていきます。

C91告知 二次元アイドル音楽ガイド、『MIW -MUSIC OF IDOL WORLD-』を頒布します!

告知です! 12/31に開催されるC91三日目に本を出します!
2016年12月31日(土)
MIW製作委員会 (3日目の東2ホール、評論・情報島です)
本のタイトルは、『MIW-MUSIC OF IDOL WORLD-』(ミウと読んでください)。
その名の通り、二次元アイドル音楽のガイドブックです。
今回の本は、大学の先輩であり、二次元アイドルファンとしても同士でもあるシノハラユウキ氏との合同制作です。
内容は以下の通りです。 

また、Twitterでの告知については以下のTogetterや、モーメントにまとめてあります。

Togetter

togetter.com

 ・モーメント

twitter.com

 

 さらに詳細についてはシノハラ氏の告知ブログ記事(http://d.hatena.ne.jp/sakstyle/20161229/p1)にありますので、そちらをご覧いただければと思います。
 
そして僕も「告知ブログを書きます」と言ってしまった手前何か書かなければいけないのですが、本エントリでは個人的なものではありますが、この本がどのような本であるのかを紹介したいと思います。
 
本書の構成は、大きく以下の3つです。
  • 全体分析
  • 作品・作家別ガイド
  • エッセイ 
 ここでは、上記の3つが、本誌でそれぞれどのような位置付けにあるのかを紹介することで、本誌の全体像を示して見たいと思います。

全体分析

 まず、全体分析では、今回扱った作品・楽曲全体を対象として、集計や分析を行うことで、作品ごとの曲数、作家数から、二次元アイドル音楽を俯瞰的に捉えることができるようになっています。例えば、

  • アイマスラブライブうたプリはそれぞれどのくらいの曲数があるのか
  • 二次元アイドル全体として10年間でどのくらいのペースで曲が増えてきたのか
  • 二次元アイドル楽曲で多く曲を書いている人は誰か
  • 多くの作品にまたがって曲を書いている人は誰か

など、単一の作品を追いかけることだけではなかなか見えにくいものをデータとしてまとめています。さらに、今回は、共通している作曲家から、作品同士の類似度を定義・算出し、それをマップとして可視化しています。その結果として、全体分析は、「作品間の音楽面での繋がり」を示すものになっています。 

作品・作家別ガイド

 次に、本書中で圧倒的な文量を誇る作品・作家別ガイドについて。こちらは、作品ごと、及び作家ごとに、プロフィール及び楽曲を紹介しているものとなっています。作品別ガイドでは、楽曲及び作家から、その作品における音楽性の紹介を、作家別ガイドでは、各作家について、二次元アイドル関係に留まらず、むしろ、二次元アイドル作品「外」でどのような活動を行なってきているのかに着目した紹介となっています。例えば、三次元アイドル曲の作曲家さんだったりボカロPだったり、プロのミュージシャンであったり、といったような。紙面レイアウトとしても、音楽会社など所属によって作家をグルーピングしているため、作家さんのパーソナリティを見やすい構成となっています。その結果として、本ガイドは、二次元アイドル楽曲についてのガイドであることは言うまでもなく、その枠を飛び越えた、「二次元アイドル作品とその外部の音楽面での繋がり」を示すものになっています。

エッセイ

 最後に、エッセイについて。今回、二次元アイドル音楽についてのエッセイをゲストの方々にお願いし、いずれも読み応えのある、素敵な作品をいただくことができました。一つの作品における音楽性に深く切り込んだものから、三次元アイドルや宝塚などの外部との繋がりを示したものなど、これらのエッセイのみでも十分に本として出せるくらいのバリエーションと深みのあるものとなっております。
 そして、何より、エッセイには書き手の方々の、二次元アイドル音楽への「想い」が込められています。本誌は主に作家(作り手)にフォーカスを当てた本となっておりますが、もちろん、音楽は聴く人がいてこそ成り立つものです。本エッセイはそんな聴き手の方々の声であると言えます。つまり、これらのエッセイは「二次元アイドル音楽と聴き手の繋がり」でもあるのです。

まとめ

 少し長くなってしまいましたが、本誌は二次元アイドル音楽ガイドとして、基本的には物量勝負のデータブックではあるのですが、上記に挙げたものを始めとした、様々な「繋がり」を見つけることができる本でもあると思います。
 まさに、二次元アイドル音楽を様々な面から味わい尽くせるものとなってると思いますので、二次元アイドル音楽に少しでも興味のある方は、是非とも手に取っていただければと思います。よろしくお願いします!
 

君の名は。 観てきました

 嬉しくて泣くのは 悲しくて 笑うのは 僕(君)の心が 僕(君)を追い越したんだよ

RADWIMPS なんでもないや

 好きだった作品のストーリーを思い出せないことが辛い、なんてことを最近特に思うようになってきていて、この感覚は少なくとも学生の頃には無かったもので、じゃあその辛さはどこから来ているのかというと、感覚的には学生の頃から自分はあんまり変わっている自覚がなくて、だけど忘却が、それが過去のものであり、現在の自分から断絶しているということを主張しているような気がするからなんだと思う。

 映画が始まって冒頭で泣いてしまったのは、圧倒的な映像美もその理由ではあると思うけど、そういう断絶みたいなものがテーマにあるんだろうなと察せられたからだ。そしてその直感は幸いにも(?)外れておらず、上映終了後パンフとCDと小説版とムックを当たり前のように手にしていた。

 大切だったものを忘れてしまったり、好きだったはずのものがいつの間にかあんまりそうじゃなくなってしまったり、泣きたいときに泣けなかったりしたりする中で、あったかどうかもわからない何かをずっと信じ続けている姿っていうのは実際にはあまり綺麗なものではなくて、生きていく上では不格好にならざるを得ない。でも、それが描かれた上で、あのエンディングに辿り着いたことはとても素敵なことだと思う。

 10年後も、願わくば「君の名前」を覚えられていたらいいなあというのが、今の一番素直な気持ちです。 

君の名は。(通常盤)

君の名は。(通常盤)

 

 

【新春特別企画】好きなBUMP OF CHICKENの曲で固めたミリオンライブ!セットリスト公開祭り

singm.blog70.fc2.com

こちらの企画が大変面白そうだったので、BUMP OF CHICKENにて参加させていただきました!(既に同じテーマで挙げている方がいらっしゃいますが、ご容赦ください)

レギュレーションはシンゴ様の上記の記事をご覧になっていただくとして、以下、セットリストとなります。

タイトル

歌詞の引用

コメント

の形式で書いていきます。(Vo→Da→Viの順です)

1.春日未来 sailing day

目を閉じたその中に 見えた微かな眩しさを 掴み取ろうとした 愚かなドリーマー

冒頭の歌詞で一発採用です。未来には常に「愚かなドリーマー」であって欲しい。

2.木下ひなた 友達の唄

信じたままで 会えないままで どんどん僕は大人になる それでも君と 笑っているよ ずっと友達でしょう 

ひなたって友達を大事にしそうだし、それ以上に友達から大事にされてそうですよね。と、いうわけでストレートにこの曲を。

3.ジュリア ガラスのブルース

ああ 僕はいつか 空にきらめく 星になる ああ その日まで 精いっぱい歌を唄う

これについては「ジュリアに歌って欲しい曲」としてのチョイスです。BUMPの原点であり、非常にシンプルなロックサウンドであるこの曲を、ジュリアの弾き語りで聴いてみたい。

4.高山紗代子 リトルブレイバー

 ねえ単純に気高きユメのタメ 愛するヒトのタメ できないことなんて1つでもあるかい?

姿勢として常に気高くあろうとする紗代子にはこの曲を。引用の歌詞について、紗代子なら「そんなの、あるはずありません!」って力強く答えると思います。 

5.田中琴葉 真っ赤な空を見ただろうか

理屈ばかりこねまわして すっかり冷めた胸の奥がただ一度の微笑みで こんなに見事に燃えるとは

相手のことをわかってあげなくちゃって思いがちな琴葉にはこの曲を。特に、灼熱少女のときの琴葉にぴったりな歌詞だと思います。

6.天空橋朋花 angel fall

消えない勇気を受け取ったよ 臆病なあなたから 確かに

朋花が「朋花様」として立つこと、凄まじく勇気が要ることなんじゃないかと思うんですよね。そんな彼女に寄り添える曲が無いかなと考えて、この曲をチョイスしました。(ちょっと重た過ぎた気もしますが……)

7.箱崎梨花 スノースマイル

冬が寒くって 本当に良かった 君の冷えた左手を 僕の右ポケットに お招きするための この上ない程の 理由になるから

 僕の中で星梨花は「かわいい」の概念なので、BUMPの中で一番かわいい子が出てくる曲を選びました。そして、かわいさと儚さは同居しているものなので、それもまたイメージとして近いかなと。

8.松田亜利沙 GO

とても素晴らしい日になるよ 怖がりながらも選んだ未来 君の行きたい場所を目指す 太陽は今日のためにあった

亜利沙がアイドルへの一歩を踏み出したことへのエールの意味を込めて。憧れの存在に自分自身が近づくってとても怖いことですよね。

9.最上静香 メロディーフラッグ

ここで 今 君の手を 掴む為のメロディーフラッグ 遠い約束の歌 深く刺した旗

やはり静香には「歌」についての曲を選びたいなと。いつか、静香が「遠い約束の歌」を歌える日を願って。

10.望月杏奈 カルマ

ここに居るよ 確かに触れるよ 一人分の陽だまりに 僕らはいる

はい、ド直球です。杏奈にはやっぱり二人じゃなくて一人になって貰いたいとな、と思っています。

11.矢吹可奈 stage of the ground

あの月も あの星も すべて君のための舞台照明 叫んでやれ 絞った声で そこに君が居るってこと

特に、劇場版後の可奈に贈りたい曲です。「私はここに居ます!」って大声で叫んでほしい。まあ、今の可奈にはこんな事わざわざ言う必要ないのかもしれないですけどね。

12.エミリー バイバイ・サンキュー

昨日の夜できた唄を持って 夢に見た街まで行くよ こんなにステキな事 他にはない だから ひとりぼっち 空の下で 上手に唄ってみせるから

エミリーにはこの旅立ちの歌を。故郷を離れて日本でアイドルを目指すと決めたときの心境はきっと不安でいっぱいだったと思うんですが(なにせ13歳だし)、そんな不安を隠して強がっている姿がエミリーらしいなあと思い浮かんだので。

13.大神環 宇宙飛行士への手紙

トリケラトプスに触りたい ふたご座でのんびり地球が見たい 貰った時間で出来るかな 長いのかな 短いのかな

環については「数年後、この子が心から良かったと思える時間を作ることができるだろうか」みたいなことをついつい考えてしまって。今を大切にしてほしい/大切な今を作ってあげなくちゃいけないという気持ちを込めた選曲です。

14.北上麗花 セントエルモの火

解り合おうとしたら迷子になる 近くても遠くてややこしくて面倒な僕らだ だからついて来たんだ 解り易いだろう ちょっとしんどいけど楽しいよ

坂道を登るという比喩自体、趣味が登山なぷっぷかさんにはピッタリなのですが、それ以上にこの曲の二人は、Pと北上麗花に見事にシンクロしてます。たぶん、最後まで追いつけないと思うんだけど、だからこそ、追いかける価値があるのです。

15.高坂海美 サザンクロス

どんな今を生きていますか 好きだった唄はまだ聴こえますか くしゃみひとつで笑った泣き顔 離れても側にいる 気でいるよ

特に海美みたいな陽性の子に対してBUMPってぶっちゃけ相性があまり良くなくて、海美そのものを表す曲っていうのは難しいんですが、陽に憧れた陰の存在っていうのも居るんじゃないかって考えたとき、この曲が思い浮かびました。要するに、海美に告白する前に振られた奴って居そうだよなという話なんですが(身も蓋もない)。

16.佐竹美奈子 飴玉の唄

僕は君を 信じたから もう裏切られる事はない だってもし裏切られても それが解らないから どうか 君じゃなく ならないで

美奈子の愛情ってつまり相手への全肯定なんじゃないかなと思い、この曲を採用。きっと美奈子も、底抜けの愛情の裏にはもっと切実な思いを秘めている……んじゃないかなあ。

17.島原エレナ 三ツ星カルテット

涙の無い泣き顔に ちゃんと気付けるよ今は 恒星を3つ目印に いつまでだって側にいる

人と人を、自分を含めて、ちょうどいい距離感で繋ぐことができるエレナにはこの曲を。トライスタービジョンの内、「3人でいること」を一番大切に思ってるのがエレナなんじゃないかなと。自分からは決して引かないという意味で。

18.永吉昴 R.I.P

アドバルーンの下 催事場のヒーロー 光化学スモッグ 手を引かれた野球帽 地球で一番 幸せだと思った あの日の僕に 君を見せたい

昴と郷愁って相性が良くて、仮にアイドルとして可愛く成長したとしても、昴にとってやんちゃだった昔の思い出はずっとキラキラと光っているんじゃないかなと思います。それをちょっと照れくさそうに語る昴の姿を思い浮かべて、この曲を選びました。

19.野々原茜 ラフ・メイカー

「名乗る程 たいした名じゃないが 誰かがこう呼ぶ"ラフメイカー" あんたに笑顔を持ってきた 寒いから入れてくれ」

茜ちゃんの強引さと空回りっぷりはやはりそう呼ばれるに相応しいでしょう。俺がそう呼ぶラフメイカー。もちろん、周りの人が笑ってくれることを心から望んでいる所も含めてです。

20.馬場このみ リリィ

「そういうトコロも全部 かわいいヒトね」と言った ツクっても 気取っても その一言にはすべて見られていた

「恋人」という言葉が入っている、BUMPの曲の中でも珍しいストレートなラブソングをこのみさんに。もちろん、「このみさんにこういうこと言ってもらえたら最高だよなあ」が本音であることは言うまでもありません。

21.福田のり子 グッドラック

くれぐれも気を付けて できれば笑っていて 騙されても疑っても 選んだことだけは信じて

のり子が、大切な誰かに別れを告げるとき、絶対にその場では泣いたりしないんじゃないかなと思うんです。背中を叩いて笑顔で「がんばりなよ!」って手を振るんじゃないかって。そして、一人になってから大声で泣くんじゃないかって。この曲を聴いたとき、そんなのり子の姿が思い浮かびました。

22.舞浜歩 Hello World!

ご自分だけがヒーロー 世界の真ん中で 終わるまで出突っ張り ステージの上 どうしよう 空っぽのふりもできない

歩には、不安だらけなヒーローの覚悟を歌ったこの曲を。なんだかいつも危なっかしい足取りで進んでいる歩ですが、そこにある「後には引けない」という意思が、歩の一番の強さなのかなと思ってます。

23.真壁瑞希 ランプ

「ハロー、ハロー、気付いておくれ 君の中で待っていたんだよ 大丈夫、大丈夫、僕は君のハートに住む 情熱のランプだよ」

僕が瑞希に望むことは「どうか自分の中の火に気付いてほしい」ということで、それはつまり、瑞希は瑞希が思っている以上に凄いし、誰かを本当の意味で救うことだってできるんだということなんですね。瑞希がハートのランプに確かに火をともす瞬間を見るために、僕は担当をやってるんだと思います。

24.百瀬莉緒 プラネタリウム

この星は君じゃない 僕の夢 本当に届く訳無い光 でも 消えてくれない光

莉緒ねえに対して惚れている男はみんなこういうメンタリティなんじゃないかなっていうのが選曲理由です(ヒドい)。莉緒ねえが気付いていないだけで、莉緒ねえをちゃんと見て、ちゃんと好きに人はなってくれる人は、過去にも現在にも未来にもたくさんいると思います。

25.横山奈緒 透明飛行船

もう精一杯 精一杯 笑ったでしょう 皆も あの子も 笑っているでしょう たまに本気で 泣いているでしょう 大丈夫 もう一回 笑えるでしょう

泣けちゃうような温かさを持った奈緒には、この曲を。例えば自分がものすごく落ち込んでしまったときに、奈緒はものすごく親身になって相談に乗ってくれるんじゃないかと思います。 その距離感の近さがお節介にならないところが、奈緒の凄く良いところなんじゃないかなあと。

26.伊吹翼 車輪の唄

線路沿いの上り坂で 「もうちょっと、あと少し」後ろから楽しそうな声 町はとても静かすぎて 「世界中に二人だけみたいだね」と小さくこぼした

翼にこの曲をモチーフにしたドラマに出演してもらいたいなあと思い選曲。翼は、こういう青春ドラマのヒロインやらせると最高に映えると思ってます。

27.北沢志保 ダイヤモンド

いったいどれくらいの間 助けを呼ぶ声を無視してんだ その背中に張り付いた 泣き声の主を探すんだ 前ばかり見てるから なかなか気づかないんだ 置いていかないでくれって泣いて すがる様なSOS

歯を食いしばりながらひたすらに前へ進もうとする志保へはこの曲を。改めて見返してみるとことごとく志保に刺さる歌詞だよなあと思います。最近は、少しは後ろを見る余裕も出てきたんじゃないかなって思いますが。

28.篠宮可憐 オンリーロンリーグローリー

オンリーグローリー 君だけが貰うトロフィー 特別じゃないその手が 触ることを許された光

可憐は、気弱な子ではありますが、彼女のモチベーションは「弱い自分の克服」ではなくて、もっと遠くへたどり着きたいという野心だと思います。そんな彼女には一人でも歩き出せる勇気を歌ったこの曲が相応しいと思い、選曲。

29.周防桃子 ハンマーソングと痛みの塔

別に今更辛くもないけど 誰かが見てくれたらな これだけあれば許されないかな 少し優しくされるくらい

MAD動画でも使われていたぐらいに桃子先輩にぴったりな曲。もちろん、桃子先輩に痛みの塔を作らせないようにすることがプロデューサーの役割であることは言うまでもありません。

30.徳川まつり メーデー

君に嫌われた君の 沈黙が聴こえた 君の目の前に居るのに 遠くから聴こえた

まつり姫は実は自分自身のことを好きじゃないんじゃないかってふと思ってしまうときがあって。なかなか本音が見えてこない彼女とやっていくためにはこちらも相応の覚悟が必要となります。この曲はそういう覚悟の曲です。

31.所恵美 fire sign

誰かの為に生きる という思いを込めた旗を抱き 拾ってきた笑顔の中に 自分の笑顔だけ見当たらない

ミリオン×BUMPを考えようと思ったきっかけは恵美にこの曲を贈りたいと思ったことだったりします。誰かのことについては一生懸命なのに、自分のことに対して一歩引いてしまう恵美に、恵美自身こそが燃えて輝いているんだと教えてあげたいのです。

32.豊川風花 とっておきの唄

小鳥が夜明けを唄であいず とっておきの声でリズムとって 何でもない日にも小さなドラマがあるって気付いたんだ

風花さんには普通の恋愛をしてもらいたいなあと思ってこの曲を選曲。風花さん、「幸せな日常」が一番しっくりくるんですよね。

33.中谷育 魔法の料理~君から君へ~

君の願いはちゃんと叶うよ 楽しみにしておくといい これから出会う宝物は 宝物のままで 古びていく

育の目から見えるものはすべてこれから起こることであって、常に自分の未来に触れているような状態だと思うんですね。そんな育に対して贈る曲が何かと考えたら、やはり、この曲かなと。

34.七尾百合子 プレゼント

そうだ いくつかの 物語を プレゼントしてあげる ちゃんと読んでおくこと いいね それじゃ また後で

やっぱり、百合子が語り掛けるイメージにぴったりだったので選曲。この曲をモチーフにした百合子主演の朗読劇なんかをやらせてあげたいですね。

35.二階堂千鶴 バトルクライ

ここが僕のいるべき戦場 覚悟の価値を決める場所 ひとつのウソにさえ すがる僕に 捧げよう 誓いの歌 SHOUT a BATTLECRY

自分を偽ってまで強くあろうとする千鶴さんにはこの曲を。千鶴さんが頑なにセレブであることを譲らないのは、単なる見栄ではなく、そこに彼女なりの信念があるからだと信じています。

36.宮尾美也 ハルジオン

生きていく意味を 失くした時 自分の価値を 忘れた時 ほら 見える 揺れる白い花 ただひとつ 思い出せる 折れる事なく 揺れる

この曲で歌われているハルジオンがとても美也っぽいなと思ったので。アイドルとしての美也は、決して派手ではないけれど、誰かの記憶にずっと残って寄り添うような、その姿を見て、誰かが希望を持てるような、そんな存在なんじゃないかなと思います。

37.ロコ ベストピクチャー

「ねぇ ほら 見てくれよ! 生きてるんだよ? だって 絵をかいてるんだぜ!? あなたにも見えるでしょう?」

「ロコのレゾンデートルはレプレゼンテーションそのものなんです」って凄く重たい台詞だよなと思っていて、ロコにとって表現は、もう好きとか生き甲斐とかそういう次元のものじゃないと思うんですよね。この曲のように、表現することで「生きてるんだ」と主張してるんじゃないかって。

 

以上です。長い! (ここまで読んでくださった方ありがとうございます)

今回、セットリストを考えるにあたって、せっかくなのでちゃんと選んだ理由を言葉にできるような選び方をしようと思ったのですが、これが想像以上に大変で……。すんなり決まった子もいれば、なかなか難航した子もいたりして、改めて自分の中で彼女たちを見つめなおすことが出来ました。

このような機会を与えてくださったシンゴ様には改めて感謝を申し上げます。ありがとうございました!

 

 

 

【備忘録】THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 3rdLIVE TOUR BELIEVE MY DRE@M!! 765楽曲カバーコーナー リクエスト

いよいよミリオン3rdツアー開催が1ヵ月と少しに迫ってまいりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

ところでこんな企画がありましたね。

【ミリオン3rd】765楽曲カバーコーナー リクエスト募集のお知らせ!

 というわけで、今回、せっかく公式から好き勝手言って良い素敵な機会を頂きましたので、実現性は度外視して、「ぼくのかんがえたさいきょうの765曲カバー」をリクエストしてみました(考えるのに3時間ぐらいかかった)。備忘録としてここに置いときます。

条件

・歌ってほしい曲とアイドルはセットで考える
・37人全員選ぶ
・1アイドルに対して複数曲のリクエストはしない
・ユニット曲として指定する場合、同じ会場に出演するアイドル同士で組む

 

リクエスト

1. Vault that borderline! (春日未来・最上静香・ジュリア・所恵美)
2. First Stage  (真壁瑞希)
3. Honey Heartbeat (伊吹翼・箱崎梨花横山奈緒
4. ゲンキトリッパー (矢吹可奈
5. I'm so free!  (百瀬莉緒・豊川風花)
6. YES♪ (永吉昴・福田のり子
7. いっしょ  (篠宮可憐・中谷育・エミリー スチュアート)
8. KisS (高山紗代子二階堂千鶴・島原エレナ)
9. LOST (田中琴葉北上麗花
10.inferno (天空橋朋花・北沢志保)
11.乙女よ大志を抱け!! (松田亜利沙)
12.My Best Friend  (望月杏奈・七尾百合子)
13.ポジティブ! (大神環・宮尾美也
14.MEGARE! (高坂海美・徳川まつり・佐竹美奈子
15.エージェント夜を往く (野々原茜・舞浜歩)
16.おもいでのはじまり (馬場このみ周防桃子
17.Slapp Happy!! (伴田路子・木下ひなた)

 

 ……せめてVaultはどっかでやってくれないかなあ。

 

THE IDOLM@STER M@STER OF IDOL WORLD 2015の感想および蛇足

THE IDOLM@STER M@STER OF IDOL WORLD 2015、通称10thライブが終わって1週間。
ようやく、感想が書ける気がしてきたので、とりとめなく書いてみようと思います。
ちなみに両日現地でした。

◯1日目

 1日目は、本当に幸運にも、センターステージ目の前で見ることが出来ました。(席が判明した瞬間自分の身を思わず案じたぐらいw)


 春香の、「ドームですよ、ドーム」をまさかこんなに近い距離で聴くことができるなんて……。この時点ですでに泣いてましたが、逆に現実感が無さすぎて呆然としてた感もありました。

 この10thという節目、ドームという会場の特別さ、という点に関してはもう言うまでもないんですが、やっぱり、特に1日目は、演者さんたちの「覚悟」がこれでもかって言うぐらいに伝わってきて、ただただ圧倒されてました。

 9thのときは、1曲1曲をじっくりと聴かせに来てるような、「私たちををちゃんと見てね」という印象を受けていたのですが、今回はあまりにも怒涛のセトリで、「私たちについてこれる?」と問いかけられているような印象を受けました。ASの彼女たちがこれまで積み上げてきたものを、手加減なしに全て見せつけられたような。(後半は特に、新しい曲が来る度に、周囲からも歓声ではなく呻き声が上がってたような気がしますw)

 僕自身としては、『Pon De Beach』でヤーマンアロハしたり『ALRIGHT*』のあずみんの立ち姿に惚れたり『YOU往MY進!』でタオル振り回したり『空』の大合唱で泣きそうになったり『嘆きのFRACTION』の大化けに驚いたり『絶険、あるいは逃げられぬ恋』に崩れ落ちそうになったり『またね』のくぎゅの涙に動揺したり『風花』でただただ圧倒されたり『細氷』を祈るように見ていたりしていたんですが、光景として強く印象に残っているのは、メドレーの『太陽のジェラシー』の繪里子さんです。

 確か、アリーナAからセンターステージを見て左手、三塁側のステージで歌っていたのですが、ドーム一杯のサイリウムを前に、『太陽のジェラシー』を歌っている春香が、確かにそこに居ました。38000人の「マーメイ!」を、一身に受け止めているその姿と言ったら……! 万感の思い、というのは、きっと、こういうことを言うのでしょう。現地で、アリーナで見られて、本当に良かったと思えた光景でした。

 あと、センターステージの向こう側から、スポットライトがステージ上の演者さんに向けられるのですが、そのとき、スポットライトの輝きに演者さんが包まれる光景を何度かみることが出来て。それも、今、まさに輝きの中にいる彼女たちを象徴しているようで、尊ささえ感じました。

 総じて、1日目はアイマスのこれまでの「回答」を貰ったような気がします。ライブが終わったあと、「もう思い残すことはない」みたいなツイートをしてましたが、とても大きな満足感と、ほんの少しの寂寥感に浸っていました。

◯2日目

 1日目がある意味、儀式めいていたこともあって、二日目はもうお祭りになる、と確信していました。座席は1塁側スタンドB。ドーム全体を見渡せる位置という意味では、お祭りを楽しむには、うってつけの場所だったと思います。しかも、なんと、トロッコがほぼ目の前を通るというw 

 一日目が「これまで」であれば、二日目は「これから」となります。そして、「これから」を祝うためには、そりゃあもう楽しくなくっちゃいけない。そんな心意気をこれでもかってほどに感じるライブでした。もう本当に楽しいしか無かった。(最初から「READY!!」→「おねシン」→「Thank You!」→「歌マス」→「welcome!!」とかもうね……。)

 そして何よりもやっぱりあのメドレー!! メッセージ性と遊び心が詰まりに詰まった、まさに2日目を象徴するセトリだったと思います。特に、ジュリアとだりーなのトワスカは、10th前に、絶対やって欲しいって100回ぐらい言っていて、それが実現しちゃったので、ほんとにもうおかしくなってました。このとき若干腕が攣ってたりしたんですが、もうそんなのどうでもよくなって、全力で腕を振ってました。

 あと象徴的だったのが、未来と卯月の「素敵なキセキ」、凛と静香の「Never Say Never」という、デレミリの赤青の共演。そして、最後に皆で歌う「いっしょ」。アイマスの「これから」の希望が、このときはっきりと見えた気がします。

 改めて、デレミリ組の存在が、とても大きくなっていることを実感できたのが、2日目で一番嬉しかったことで。今回、ライブの構成として、シンデレラ、ミリオンとして、おそらくこれは絶対いれてくるだろう、っていう曲をあえて外していたところがあったと思います(シンデレラの凸レーションの曲、ミリオンのAS入りのLTHユニット曲等)。でもそれは、もうデレミリ組が全然特別扱いされていないってことだと思うんですよね。1日目、2日目ともに、今回のライブのセトリは、表現したいテーマが先にあって、それに合わせた選曲がされていることをとても強く感じました。同行者が、「意味に満ち溢れている」とライブ中語っていたのですが、おそらく、どの曲も、そこに配置されるべくして配置されていたと思います。そして、そういう配置の仕方ができることが、そして、ドームという大舞台で、ほぼ崩れること無く演りきったことが、去年のSSAからここまでで彼女たちが確実にステップアップしてきたことの証左ではないかと。

 ミリオンの話をします。幕張での2ndライブで僕が見たものは、各々の演者さんが、アイドルたちを演じていくことに対する覚悟でした。そして今回の10th。ミリオンは『Dreaming!』という新曲を発表し、そしてその途中のMCで山崎はるかは、春日未来として言いました。「また、ここに連れてきてくれますか?」と。10年目だって途上にすぎない、とは何度もディレ1やガミPが強調していたところでありますが、では、ドームという夢がひとつ叶った今、続けていくためには新しい夢が必要です。それを、「未来」という名前を背負ったアイドルが、「夢」と名付けられた曲中で、新しい「夢」を語ったのです。この、圧倒的な物語性……! そして、発表された37人全員出演の全国ツアー。それは、ミリオンが確かに、この先へ一歩踏み出していく、という覚悟に他なりません。これからも、アイマスがずっと続いていくこと、ずっと続けていくこと、そのことを、大好きなミリオンが示してくれたことがほんとうに嬉しかったです。

 1日目の「これまで」と、2日目の「これから」。この度のライブは、そのふたつをこれ以上ない形で示してくれた祝祭でした。2日間を通して、自分の中で、現在位置と、進行方向の確認が、出来たと思います。ほんとうに、いくら感謝をしてもしたりない。全力で叫んだ「ありがとう」が、届いていることを願うばかりです。

◯自分と、アイマスについて

 蛇足です。書きたくなっちゃたんだからちかたないね。

 昨日がちょうど、アケマス稼働から10周年(Twitterで知った)でしたが、僕はアケからのPというわけでは無く、もっと言えばアイマスのゲームに触れたのはミリオン、OFAが最初、ライブに関してはシンデレラ1stのLVからの参戦、という、ここだけ見ると本当に新参Pなのですが、アイマス自体が好きになったのはそれよりももっと前で、2009年頃に、ニコマスを見始めたことがきっかけでした。

 それまでニコ動では、ボカロや東方の方を先によく見ていたのですが、今回の同行者でもあるS氏に唆され(?)、ノベマス系から視聴を始めました。我ながら、ゲームを全然知らない状態でよくハマれたなあと思いますが、この頃のニコマスにおける動画の熱量はそれだけ凄まじいものが有りました。まさに、キャラクターがコンテンツを生み出していく、という光景。その、キャラクター自体が持ちうるポテンシャルの高さと、それを最大限に引き出そうとするニコマスPの熱意に、強く惹かれたんだと思います。キャラクターへの愛が、キャラクターを形成していく、という非常に幸せな関係が、当時も、そして今もずっと続いている。それが僕がアイマスが好きな一番の理由なんだと思います。

 けれど、それは言ってしまえば「皆が好きなアイマスが好き」ということでもあり、ずっと後ろめたさも感じていました。二次創作は大好きなのに、原作のゲーム自体に手が伸びなかったこと(学生だったこともあり、金銭面の理由が大きい)、もっといえば、たとえ、原作のゲームをやったとしても、ニコマスという二次創作を通して好きになった自分としては、好きの強さが、おそらくニコマスの大好きな動画のほうが上に来てしまうだろうということ。それは、あの、9.18で、発表内容そのものではなく、発表内容に対してショックを受けているP達に対して、ショックを受けたという状況が、自分の歪みを表している気がして、そういう意味でとても辛かった。だからこそ、9thの、繪里子さんの言葉に本当に救われたのですが。

 もちろん、アニマスの存在はとても大きくて、より、アイマスを好きになりました。なんというか、アイマスってやっぱりここまで描くことができるものなんだ、ということを、再確認できたという意味で。そして、ライブに参加するようになって、「アイドルマスター」というコンテンツへの、参加意識がここ数年で高まり続けている、というのが現状です。

 アイマス10thにあたって、ようやく、XBOX360を買い、『THE IDOLM@STER』をプレイしました。あの、春香の台詞を聴くために。結局、その台詞が聞けたのは、ライブの2日前だったりしたのですが、ドームライブに間に合って、本当に良かったと思います。多分、もともとゲームからファンになった人たちと同じように好きには、なれないと思います。でも、少しだけ、抱えていた後ろめたさは軽くなったような、そんな気がしています。

 そういった意味で、僕がミリオンにハマったのは、ゲームとしてのアイドルマスターを、最初から好きだった人たちへの憧れから来てる部分もあるかもしれません。今から何年後かに、彼女たちが大きくなった光景を、最初から参加していた立場で見ていたい。それこそ、アケマス、箱マスからのPたちが、今回の10thを迎えられたように。

 

まだまだ書き足りないものはたくさんありますが、とりあえず、ここまで。これから、忙しくなりますね。そういう風に今、思えることが、とても幸せです。

THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 2ndLIVE ENJOY H@RMONY!! 感想

4/4,4/5の二日間、幕張にて行われたミリオンライブの2ndライブに参加してきました。

さて、正直、何を書けばいいのか……。
とにかく、ミリオンがここまでやってきたこと全部を見せてくれたなあという印象です。両日現地で見られたことは、本当に幸運でした。
全部追っていくと書くこと多すぎて纏まらないので、今回も演者/アイドルごとに感想を。主にソロ曲にフォーカスを当てる感じになるかと思います。

両日出演者

◯山崎はるか/春日未来

春日未来として、ミリオンスターズのセンターとしての役割を存分に見せつけられました。ぴょん吉がこれまで感じているプレッシャーが大きかったことは、ぴょん吉自身がアイマスが大好きだってことを鑑みても容易に想像付くわけですが、今回はなにか吹っ切れたようなカッコよさを感じました。パンフレットのディレ1の「追いかける」という言葉があって、その先頭を走る役割を了承したんだなと、特に、2日目の「未来飛行」については、春日未来としての覚悟が現れていて、大トリにふさわしい説得力でした。

田所あずさ/最上静香

何より、「楽しい」っていう言葉が一番印象的でした。

ライブが始まる前は、1stの「リベンジ」*1として気負ってた部分が見られたのですが、特に2日目のMCで、何度も「楽しい」「ずっと笑ってる」って言ってたのが、今回のライブを象徴してるかなあと。パフォーマンスに関しては、一日目のCatch My Dream、二日目のPGともに、何も言うことがないです。強いてあげれば、よかったな、と。最上静香にふさわしい舞台で、万全に歌えたことが。

Machico/伊吹翼

各所で言われてますが、今回のMachicoの凄みは別格でした。ひたすらに、翼であろうとする覚悟を、MCからも、そしてなにより、二日目のbelieve my changeから感じました。あの迫力。元々、翼は美希と同じ系譜にいると思うんですが、あのステージのカリスマは、美希のそれを彷彿させていました。あの曲をもらい、あのステージを作れたことは、今後のミリオンにとって、とても大きな収穫なんじゃないかと思います。

◯朝倉もも/箱崎梨花

安定のもちょ。

やっぱりこの子は凄い。もう凄いのが当たり前になっちゃってるけれど凄い。何をやっても人を惹きつけますね。ソロ曲もそうなんですが、ユニット曲でのパフォーマンスもさらに磨きがかかっていて、まあ当初の想定通り撃ち抜かれましたwそしてMCについても、今回も全編通して天才でした。「全然おもしろくない(o・∇・o)」

雨宮天/北沢志保

天ちゃんかわいい!志保かわいい!

一番嬉しかったのは、天ちゃん自身の方が抜けて、とても楽しそうだったことで。それが、そのまま志保の成長に重なってるのがとても良かった。そしていい具合に肩の力が抜けた天ちゃん/志保が歌う曲が凄くないわけがなくて。一日目の「絵本」、二日目の「ライアー・ルージュ」両曲とも素晴らしかったんですが、特に「絵本」は完全にライブで化けましたね。ものすごい説得力でした。

◯夏川椎名/望月杏奈

 ナンスには、今回の敢闘賞をあげたい。まず1日目のハピダリを完璧に歌いこなすナンスを見て泣きました。ああ、多分自分の娘の成長を見る親の気持ちってこういうことなんだろうなあとかだいぶ気持ち悪いですが*2そんな感慨が溢れてきてしまって。ナンスの場合、杏奈になりきって歌うっていうより、杏奈と一緒に歌ってる感じがあるんですよね。すっごく仲良さそうだし。杏奈の隣に立っていることがとても自然に見えるんですよね。
 そして、今回のナンスといえば、あのSentimental Venusについての最後のMC。あの3人の中で最年少のナンスがあの場で、あんなふうに代表として挨拶をする、あのステキな奇跡となった感のあるトラブルをまとめあげる、という光景が、全く不自然ではなかったこと。なんというか、ちょっと背負わせすぎなんじゃないのか、とも思いましたが、あの姿を見て、もう黙るしかありませんでした。本当に、凄いよ。

伊藤美来/七尾百合子

 キャラクターとしての百合子っていうのはわりと良く分かるんですが、アイドルとしてこの子はどう魅せてくれるのか、正直な所イマイチピンと来なかった感がありました。でも、その答えはみっくが見せてくれました。2日とも、最後から3番目。トリへ向けて「繋げる」必要がある大事な場面。そこで、みっくの、百合子の歌っていうのは最高に存在感を示していました。ああ、そうか、百合子はこういう場で、一番輝く子なんだと。多分、主役にはなれない。だけれど、この子の、背中を押してくれるような表情と歌声は、確かに、周りの人達を勇気づけてくれる。そういう、優しさと明るさに溢れている百合子を、二日間ともにほぼ完璧に見せてくれたみっくもまた、この一年で驚くほど成長していました。ナンスとみっくはもう完全に安心して見ていられる二人ですね。あの笑顔、素敵過ぎる……。

渡部優衣/横山奈緒

 今回のライブで惚れ(直し)た人その1。もう完全にミリオンのトップバッターですね。初日の「ハッピーラッキージェットマシーン」での熱量と言い、二日目の「Super Lover」での死人がでるんじゃないかというぐらいの歌とダンスといい、その日の会場の雰囲気を見事作り上げていました。この、「ハピラキ」と「スパラバ」を両方出来るっていうところは奈緒の物凄い強みだなあと思っていて、ミリオンメンバーの中でも、比較的年長で、かつ器用な奈緒だからこその部分だと思っています。そして、それを見事に表現し切るゆい㌧。ゆい㌧もまた、ミリオンでの自分の役割をこのライブでちゃんと見つけたのかな、という気がします。そこから来る力強さを、ソロパートの一番最初に感じられたのがとても良かった。

 そしてMC。Sentimental Venusでのトラブルを、とびきりのポジティブな言葉で、カバーしたどころか、その日最高の盛り上がりに変えてしまったこと。最後のあいさつ(だったかな?)で、真っ先に機材スタッフへの感謝を述べたこと。その気配りに、本当に感動してしまって。そうか、これが推せるってやつなのか……! そして、きっと、奈緒も同じ状況だったら同じことを言っただろうなあと思ったりして、余計に嬉しかったです。

◯藤井ゆきよ/所恵美

 今回のライブで惚れ(直し)た人その2。なんといっても、「フローズン・ワード」のあの表情。曲の後半になるにつれて、溢れ出てくる何かを必死で抑えながらそれでもほぼ崩れること無く歌い上げた姿は、鮮烈に脳裏に焼き付きました。ゆきよさん自身、「この曲は気分が入ってくるといつも泣きそうになる」って言ってましたが、それは、きっと恵美の感情にそれだけシンクロできているってことで。恵美って言う子が、あの見かけ上ののフランクさに反して、深い内面を持っている子であることは、もう多くのPによって語られているところではありますが、その恵美の、一番コアな部分の感情――激情と言ってもいいかもしれません――が、この「フローズン・ワード」では表出してくるのではないか。ゆきよさんが今回やってのけたことは、その(恵美では制御しきれない)激情を自ら呼び込みつつ、パフォーマンスとして成立させるっていう、凄まじい事だったんじゃないかなと思っています。
 一方、MCでは、もう完全にメンバーの中で残念お姉さんポジションになってるのがもうたまらないですね、特に1stの様子を知っていると。もう間違いなくミリオンに無くてはならない存在ですね。

一日目のみ参加

小岩井ことり/天空橋朋花

 1日目の化け物枠その1。なんだったんでしょう、あの空間は……。騎士団の七つの誓いが読まれ始めた瞬間、会場の空気が一変しました。そこに、確かに朋花様が立っている。そして異様な空気の中で流れだした「Maria Trap」。あの場に、この曲の下に屈服ぜずに済んだ者は居なかったのではないでしょうか。それだけ、こっこさんのパフォーマンスは完璧でした。役者としての凄みをいちばん感じたのは、MCの様子からのギャップも含めて、この人だったかもしれません。

山口立花子/百瀬莉緒

 莉緒ねえは本当にかわいい。「Be My Boy」を今回歌ってくれて本当に嬉しかったです。莉緒ねえってキャラクターは曲を聞くことで補完される部分は大きいと思っていて、普段セクシーアピールがさんざん滑ってる残念美人としての立ち位置をほしいままにしている莉緒ねえが歌う曲の歌詞が「メールの返事に いったい何分かかってるんだろう」とか距離感気にしてイジイジしてる女の子なのが莉緒ねえの内面を表していていると思うと「お前はっもうっ」って感じで最高に愛おしくなるんですが、ともかく、その莉緒ねえの可愛さを存分に楽しめたステージでしたし、りかねえも、すごく自然に莉緒ねえを演じてくれていました。

◯戸田恵/舞浜歩

 「ユニゾン☆ビート」は実は1日目でいちばん楽しみにしてた曲でした。一度聞いた時から絶対にライブで聞いたら楽しいと思ってて、そしてやっぱり最高に楽しかったという(正直、この曲聴きながらジャンプ禁止は辛いw)。戸田さんに関しては、ラジオとかで今回のライブに対する不安をはっきり口にしているのを聞いていたので、ちょっと心配はしていたんですが、少なくとも今回のライブにおいて、楽しい場を作ることには間違いなく成功してたと思います。というか普通に歩として歌えてました。次回は、一人で会場を湧かせてほしいなあと思ったり。

木戸衣吹/矢吹可奈

 1日目の化け物枠その2にして、今回一番の事件。木戸ちゃんがとんでもないことになって帰ってきた! 「おまじない」でUO折ったのはいいんですけれど、あのものすごく楽しそうに歌う木戸ちゃんの姿を見た瞬間にぶわっと涙が溢れてきてしまってコールするどころじゃなかったです。可奈って子はやっぱりミリオンにおいて、ちょっと特別な存在だと思っていて、それは言うまでもなく、あの劇場版で、あの春香の言葉を、いちばん真正面から受け止めていた子だから。その子が、しかも一年前、「オリジナル声になって」で途中泣きだしてしまった子が、こんなに力強く、歌を届けてくれる。その姿は、春香の言葉を受け取って、そして一回りも二回りも大きくなった可奈の姿に完全に重なりました。ミリオンやってて本当に良かったと、心の底から感じた瞬間だったと思います。キャラクターの意思を、成長を、こうやって受け止めて、表現してくれる人がいるのなら、アイマスは、きっと、これからも大丈夫です。

駒形友梨/高山紗代子

 ちょっと木戸ちゃんのインパクトが強すぎてあんまり覚えてないのが大変に申し訳ないのですが、駒形さん、やはり非常に歌が上手かったことが印象に残りました。伸びやかな高音が素晴らしい。駒形さん自身、雰囲気が紗代子と重なる部分も多く、安心してみていられたステージだったかなあと思います。欲を言えばLTHの「vivid color」が聴きたかった……!

近藤唯/篠宮可憐

 1日目の化け物枠その3。近藤唯さん、非の打ち所無く、完全に可憐でした。LTHでの「夕風のメロディー」を聞いた時に、この子はなにか持っている、と強く感じたんですね。良く歌ってるときの声質や、普段の自分に自信がないところが、雪歩と被る、と言われていますが、この歌を聞いて、この子は決定的に雪歩とは違う、と感じました。雪歩の魅力は、ひたすら自らに打ち克っていく姿だと思う(それは9thでのFirstStepで見せつけられました)のですが、可憐の魅力は、全体を包み込んでいく力強さにあるんじゃないかと、この曲を聞いて思いました。そして、近藤唯さんの歌には、その力強さが痛いほどに伝わってきて。この人、実はMCの段階からずっと可憐を降ろしてきてるんじゃないか、と空恐ろしさすら感じました。ある意味、こっこさんとは真逆ですね。個人的な思入れを考えなければ、一日目ベストアクトだったかもしれません。

二日目のみ参加

村川梨衣/松田亜里沙

 やはり、りえしょんはりえしょんであり、そして亜里沙であるなあと。それに尽きます。役を降ろすとか降ろさないという問題をその従来のキャラでクリアしちゃってるんだからずるい。ともあれ全力で「Up!10sion♪Pleeeeeeeeease!」を歌える楽しさと言ったら! りえしょんにしか歌えないであろうし、りえしょんだからこそ亜利沙としての最高のパフォーマンスとなるという最高に幸福な関係だと思います。

上田麗奈/高坂海美

 2日間で最もアツかったのがだれだったかといえばやはり上しゃま演じるうみみだったと思います。じれハでも会場の温度を一気に上げていましたが、やはり「恋愛ロードランナー」のアツさは別格でした。完全に会場の空気がロックフェスと化してた気がします。上しゃまの普段の様子からはまったく想像ができないそのアツさは、やっぱりうみみのものであり、本当に楽しそうなのがなによりいいなあと。
 あと、上しゃまの進行MCやばい。MCのやばさは(o・∇・o)が群を抜いてると思ってましたが、これは別方向で振り切れてる感があって、いいぞもっとやれ。

大関英里/佐竹美奈子

 1stの時に比べて、ものすごく表情がやわらかくなってたことが印象的でした。美奈子はいろいろな意味でパワーファイターですが、今回のぜっきーはそれに負けないパフォーマンスだったんじゃないかと思います。「SUPER SIZE LOVE」の(死を覚悟した)P達の会場を揺るがす「おかわりー!!」の声は、間違いなく、ぜっきーを通して美奈子へと届いていたのではないかなあと思います(あとが怖い)。

◯愛美/ジュリア

 前曲からの過剰なまでの溜めからのギターを持っての登場、歓声が湧き上がる会場を指を唇に当てて黙らせ、さあ、ちゃんと見とけよ、と言わんばかりの悪戯っぽい笑顔で引き始める「プラリネ」のイントロのアルペジオ。もう、これ以上、何を言うことがあるのか。最後の「ありがとう」まで呆然としながらサイリウムを降っていました。ジュリアがこの曲を歌っているときのイメージは、「スタンドマイクを両手に持って声を絞り出す」というものだったんですが、今回、まさにそんな光景が見えて感無量でした。そして、今回のライブでそのイメージに、「笑顔」が追加されることとなりました。

高橋未奈美/馬場このみ

 「プラリネ」から「dear...」とか死人が出ますね。たかみなさん、今回が大きい舞台が初だって言ってましたが、とてもそうは思えないパフォーマンスで、圧倒されていました。dear...は名曲ですが、ライブで歌いやすい曲ではないと思うんですね。それを、あそこまで完璧に、しかもこのみさんとして歌い切ることができるって本当に凄いことだと思います。クラップが最高に心地よかった。

末柄里恵/豊川風花

 2日目ソロパートのトリ。ここまでの流れを見事に着地させた「オレンジの空の下」でした。2日目は3F席に居たんですが、一面オレンジの光景が素晴らしく美しかったです。2日目出演者のソロパートは、所謂キラーチューンだらけで、「dear...」の段階でわりと会場の雰囲気が加熱し過ぎてしまっていた感がありましたが、それを、見事に美しくクールダウンさせてくれたことは、実はとてもすごいことなんじゃないかと思います。そう考えたときに2日目に風花は絶対に必要だった。そして、その風花をちゃんと演じきったスージーさんは、本当に立派だったと思います。

総括

本当なら、セトリのすごさとか、ユニット曲の素晴らしさとかまだまだ語ることは尽きないのですが、とりあえずここまでで。
あらためて、アイマスライブで見たいものってなんなんだろうなあと考えてみると、もちろん、歌、ダンス、トーク、演者さんの表情、そして一面のサイリウム、その他諸々ではあるんですが、何より、それらが組み合わさった先に、「アイドル」を見たいんだと思います。演者さんが、演じる「アイドル」と重なる瞬間、それが、最も深い感動を呼ぶ。それを、僕は9thでとても強く感じました。そして、今回のミリオン2ndで、各演者さんが、間違いなく、その方向を向いていると確信ができました。そこに、アイマス「この先」への道が伸びているのを見た人は、きっと、僕だけじゃないと、そう思っています。さあ、次は10thだ……!

*1:脱線になりますが、1stの件について、結果的に美談になったのに、本人がずっと本気で反省してるのはとても好感がもてます

*2:そもそもそこまで歳離れてない