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2020年私的音楽まとめ

 今年聴いた音楽のメモ。

 noteに日記を書くことを始めたのでそっちでも良いかなと思ったのだけれど、備忘録的なものはやっぱりブログに書いておいた方がいい気がするのでこちらに。

 

1.上田麗奈『Empathy』『リテラチュア』

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 前回のシングルから2年ぶり、アルバムとしては4年ぶりというところで、まず音楽活動を続けてくれて嬉しいという思いがあった。世界観がある、と言うと陳腐に聞こえてしまうかもしれないけれど、上田麗奈さんが歌う声から広がってくるイメージは確固としたものがあって、物語を聴いているように思えてくる。声優さんがアーティストとして表現するということの意味を感じられるというか。今年出た2枚とも、『RefRain』ほどはコンセプトに振り切ってないのだけれど、そのぶん声や歌い方や歌詞そのものから表現されるものがストレートに伝わってくるような気がする。

 

2.サニーデイ・サービス『いいね!』

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 これまでサニーデイ・サービスのことはあまりピンときていなかったのだけれど、このアルバムのおかげで今年はサニーデイの年になってしまった。問答無用にいい。『春の風』を聴いたときの、これ以上の正解はないんじゃないかというくらいのワクワク感。今年何度「今夜でっかい車にぶつかって死んじゃおっかな」という歌詞を聴いたかわからないし、外を歩いているときに気付けばくじらみたいな雲を探している。酔った勢いで買ったレコード盤を年末年始に実家に帰ったら聴こうと思っていたのだけれど、今回見送りになったためしばらくおあずけ。

 

3.Maison book girl『Fiction』

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 このグループがベストアルバムにこの名前をつけることの正しさ。アルバム名の発表をライブ会場で見た時点でやっぱり追いかけてきて良かったなと思えたぐらい。ベストアルバムなので最後2曲を除いて既存曲なのだけれど、全曲リマスタリングされているほか、初期の方の楽曲はリレコーディングされていて、現在の力強くなった歌唱で収録されているのが嬉しい。あらためて、コンセプトを突き詰めようとすればポップなままにとことん突き詰められるのはアイドルグループの強みだと思う。このアルバムのリリースに合わせた全国ツアーは中止になってしまったのだが、代わりに開催された無観客ライブ「Solitude BOX Online」は配信という環境を制限ではなく映像表現の手段としてフル活用しており、まさにFictionを見ている気分になった。

 

4.eastern youth『2020』 

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 今年はフェスの開催が中止になる中、フジロックフェスが開催期間中に過去のライブを配信してくれていた。そこで見たeastern youthの『夏の日の午後』がとにかく格好良く、今年アルバムが出ると言うことを知って迷わず買いに行った。白地に縦書きの、まるで詩集のような歌詞カードを見ながらギターの轟音と声を浴びると背筋が伸びる。

 

5.ゆうらん船『MY GENERATION』

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 今年初めにArtTheaterGuildのライブに行ってから、その周辺の(=Spotifyでサジェストされる)バンドを良く聴くようになったのだけれど、ゆうらん船はその中でも気に留まったバンドだ。トーンが好ましいというか、決してわかりやすい音楽性ではないと思うのだけれど、ずっと聴いていられる心地よさがある。

 

6.赤い公園『オレンジ/pray』

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 赤い公園は去年ぐらいからよく聴くようになったバンドだった。興味を持った切っ掛けは一昨年、アイドルネッサンスというアイドルグループが解散し、そのメンバーが新しくボーカルに入ったというニュースを知ったからで、そんなことがあるんだ、と思ったのだ。そして、今年10月、あの出来事があったあとに離れてしまっていたとき、Spotifyからサジェストで流れてきたのが「pray」で、通勤中に思わず立ち止まってしまった。そういう意味づけはノイズというか、音楽そのものに対して純粋じゃないのかも知れないけれど、MVを見て尚更、こんなことがあるのか、とただ言葉を無くすしかなかった。

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7.SuiseiNoboAz『3020』

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 年末に飛び込んできたアルバム。これまでSuiseiNoboAzを聴いたことが無かったのだけれど、まず表題曲の「3020」の歌詞の力で圧倒された。

スピードを上げて

前に進むこと自体が

未来をたぐり寄せる引力を生むから

ロックンロールは逆回転の力だ

SuiseiNoboAz「3020」

  ロックンロールの価値のひとつが、ある種の言葉を音楽に乗せて届けることにあるとするならば、このアルバムはそれを極限まで研ぎ澄ませたようなアルバムだと思う。購入特典で見ることの出来たリリース記念配信ライブを見終わったあとには放心してしまった。2020年という年の最後に、このアルバムに出会えて良かったなと思えた。

 

 10選記事っぽくしたかったが、色々聞いていた気がするけど今年出たものに絞ると10枚は集まらなかった。まあ無理して選ぶものでも無いと思うしいいか......。

 それでも、今年は音楽的には多くの出会いがあった年だったように思う。たぶん今フェスに行ったらこれまで以上に楽しめる気がする。

 来年も良い音楽との出会いがありますように。