F!T!W!

ゲージが溜まったら投稿されます

「___・ラジオ・デイズ」編集後記の編集後記

 「ガールズ ラジオ デイズ」合同誌、「___・ラジオ・デイズ」を、ひっかけさん(@orb_of_college)と共同主催のもと、発行しました。

 

 内容の詳細は以下の記事に、ひっかけさんがまとめてくださっております。
 5/2のエアコミケ開催に合わせて予約を開始、5/12より販売・発送開始となりましたが、なんと、5/15を持って完売の運びとなりました!
 C98が中止となり、Webのみの販売でここまで手に取って頂けるとは思いもしませんでした。本当にありがとうございます。
 
 蛇足かもしれませんが、あとがきのあとがきならぬ、編集後記の編集後記的な物を少し。
 
 まず、今回の企画には、Twipla(https://twipla.jp/events/417004)にもありますが、「記録として手元に残るものを作りたい」という動機がありました。
 僕自身の感覚として、年々インターネットの参照性ってどんどん失われていっていて、それこそ「いま」がひたすらに連続する場となっていっている、というのがあります。
 もちろん、ガルラジが、インターネットがそういう場になっているからこそ、あれだけ熱狂できたのだということは言うまでもありません。
 
 2ndシーズンのチーム富士川キャッチコピーは「いつか、あのときは楽しかったと、言えるように」(by 金明凪紗)ですが、もはや、そうやって言うことは間違いなく出来るでしょう。#2019年はガルラジ!はたぶんこの先もずっと覚えている。
 でも、それだけでは「なんかもったいないな」と思ってしまったんですね。もうちょっと確かに振り返ることができたらいいなと。”そこ”を見れば、どういう人たちがそこにいて、どういうふうにガルラジを受け取っていたのかがわかるような。
 それを実現するのに、合同誌として物理的な本の形にするというのは、少なくともできる範囲内ではこれ以上ない手段だと思いました。
 
 だから、今回の合同誌は、作品形式にこだわらず、参加したい人にそれぞれのガルラジを表現してもらいたいと思い、形式としてのレギュレーションは無しで募集をかけさせて頂きました。実際に、ガルラジがそれだけ幅のある受容のされ方をしているコンテンツだろうという肌感覚もありました。
 その結果、なんと30人もの方にご参加頂き、その上、小説、エッセイ、評論、漫画、イラスト、そしてエントリーシートパワポ資料など、こちらで想定した以上にバリエーションのある原稿をご寄稿頂けました。
 そして、これは編集をしていて最も驚き、そして最もエキサイティングだったことなのですが、本にすることで、それらの非常に広範なバリエーションが、ガルラジという線で結ばれ、包括されるように思えたのです。それぞれの原稿が、一冊の本の中に配置されることで、バラバラでありながら、それぞれが相互に影響し合って意味が出てくるような。「合同誌を作る」というのは、こういうことなのか、という気づきでもありました。編集中に、「これは面白い本になる」という確信を持てたときの静かに湧き上がってくる高揚感は、なかなか味わえるものではないと思います(どんどん増えていくInDesignのページ数に萎縮したりもしていましたが)。本当に貴重な経験をさせて頂きました。
 
 良い本が作れたと、心からそう思っています。共同主催のひっかけさん、および、参加して頂いたみなさんのおかげです。重ねて御礼申し上げます。ありがとうございました。この企画に携わることができて本当に良かったです。
 手に取って頂いたみなさんにとっても、この本が良いものであってくれていたら幸甚です。もう少し欲を言ってしまうと、10年後ぐらいに、本棚を整理しているときにぽろっと出てきて、「あーこんなのあったな」とパラパラめくって思い返していただけるような未来があればいいなと。

ガルラジチーム富士川No.1イベント参加レポート(そして、続くということについて)

2020/1/26 日曜日、都内某所で開催されたガルラジ「チーム富士川No.1イベント」に参加してきた。
イベントが始まる前にTwitterでよく見る人たち、ガルラジを一緒に聞いてきたリスナーたちが、当たり前のようにいることがとても嬉しかった。ああいう場所で立ち話をすることはあまり得意じゃないし、かなり緊張もしてしまうほうなので、あまりうまく立ち回れなかったなという心残りがあったりする。(もし何か失礼があったら申し訳ないです……)ともあれ、非常に居心地の良い空間だったのは間違いない。

 藤田ゆきのさんの案内から始まったイベント本編は、果たして、素晴らしいものだった。

スタッフさんのチョイスも含めたラジオの振り返りや、藤田ゆきのさんアクスタが景品の高難易度ガルラジクイズ、そして公開録音と、間違いなく、本当にガルラジが好きな人のためのイベントだった(山北早紀さんが「いつもは見ない顔が多い」といった意味合いのことを言っていたのも印象的だ)。

そういうイベントだったから、と言うべきか、イベントに参加することで、ガルラジというコンテンツに対してより解像度が上がった場面があった。

ひとつは、振り返りのコーナーで実際の収録風景の映像が流れたこと、そして、その後の公開録音で、ステージ上に実際の収録の再現が行われたこと。
ガルラジは、演じている声優さん自身の身体性が大きく関わっているコンテンツであり、それは「役である時の演者さんの振る舞いが(台本に無くても)キャラクターに還元される」ということであるのだけれど、実際の収録風景がそこに再現されたことで、声だけでは無く、声優さんたちがブースでラジオをしているその姿が、チーム富士川の3人の姿として表現されたのだ。このイベントでそういうものが得られるとは正直思っていなかったので、嬉しい誤算だった。

そしてもう一つは、新田さんが最後の挨拶のときに参加者を指して「リスナーの中の人」と呼んでくれたこと。聞いた瞬間に「本質だ」と思った。これほどまでに参加者である僕たちを上手く指し示してくれる言葉も無いだろう。僕たちもTwitter上でガルラジについて語っているときは間違いなくガルラジのリスナーで居て良いのだ。こんなに嬉しいことは無いだろう。こういうイベントではやはり然るべくしてこういうことが起こるのだと思った。

そして、公録の最後には、コンテンツの新しい展開、富士川SA「2020大感謝祭」でのコラボレーション企画の発表。そして「2020年もガルラジ!」という合言葉。ガルラジが今年も続くことが示された。
本イベントの位置づけは、ガルラジ2ndシーズンの総まとめ、ボーナスステージ的なものであり、少なからず、「区切り」としての予感を持って臨んだ人は多かったと思う。僕もそうだった。
そして、これと似たようなこと(臨んだときの悲壮感は比較にならないけれど)を、僕は数年前に経験している。

kamikusa.hatenablog.comこの記事でも書いたが、ソーシャルゲームを代表として、リアルタイムに配信される形で展開するキャラクターコンテンツは、コンテンツとしての終わりが明示されない。だから、続くことを祈るしかないし、続いて欲しいと祈ることができてしまう。

そして、そういった祈りが届いたときは、やはり格別に嬉しいものなのだ、ということを再認識できたことは、今回参加することができて一番良かったことかも知れない。

 
#2020年もガルラジ! やっていきましょう。

ガールズ ラジオ デイズ  BUMP OF CHICKENイメージソング(ガールズ ラジオ デイズ インプレッション総括)

  一昨日、2ndシーズンの結果発表があったばかり(富士川おめでとう!)で、総括としては良いタイミングなのかな、と。むしろこれまで記事書いてなかったことに驚いています。

  今確認したらガルラジでイメージソング流行ったのだいたい2ヶ月前ぐらいみたいなんですけど、まあ別にイメソンはいつやったっていいし、アーティスト被りしてもいいという精神でやります。

  各チームにテーマとするアルバムを割り当てて、その中から各キャラクターに曲を割り当てる、と言うやりかたで行こうと思います。それでは対戦よろしくお願いします。

チーム岡崎 / アルバム:『aurora arc』

 「同じ高校に通う三年生」、「放送部」、「仲良し三人組」というチーム岡崎は、特に2ndチームに入ってから、終わりについて一番向き合わざるを得ないチームでした。「ガルラジの終わり」=「高校生活の終わり」=「3人の日常の終わり」という時間の区切りが、どのチームよりも明確だったからです。「リアルタイムである」ということがガルラジの大きな特徴の一つですが、それを真っ正面から受け止めたのがこのチームでした。

 だから、アルバムは今年リリースされた最新の『aurora arc』を。このアルバムは全体から、過ぎ去ってしまったものに対する眼差しに溢れていて、それが、チーム岡崎の彼女たちのこれからに寄り添ってくれるように思えるからです。

二兎春花 / 『新世界』

天気予報どんな時も 僕は晴れ 君が太陽

 二兎春花は太陽のような存在でした。眩しくて、熱くて、引力がある。真維さんと萬歳の青春を連れてきたのは二兎春花でした。リスナーも二兎春花から光を貰い続けていました。彼女が最後に自分の進路に対して迷子になったのは、区切りがついてしまう現実に対しての未練や否定では無くて、本当に「わからなかったから」なんだと思います。さっきチームについて書いたことと早速反対のことを書きますが、二兎春花にとって、きっと全ては現在形です。

 だから、彼女に対しては、アルバムの中で最も現在の希望を歌うこの曲を。

萬歳智加 /『話がしたいよ』

鼻で愛想笑い 綺麗事 夏の終わる匂い まだ覚えてるよ

 萬歳智加の他人に対する距離の取り方というのはやっぱり親近感を感じるもので、「しょうがない」みたいな言い訳が無いと一緒にいることに安心できないような、実家が自営業であることもあって現実主義的なところも含めて、そういう不器用さにずっとやきもきもしていたわけですが。最後にはちゃんと向き合うことができて本当に良かった。

 この曲は2ndシーズンのはじめの方の萬歳の印象で10年後の萬歳を思い浮かべたときに思いつきました。

桜泉真維 / 『アリア』


見つけたら鏡のように 見つけてくれたこと

  桜泉真維の、というか真維さんから春花への歌ですね。人に自分を見せることに臆病だった真維さんが、ガルラジの、春花のおかげで自分を認めることができたこと、って書き出すと野暮なことこの上ないですが。ってか素直になった真維さんめちゃくちゃ可愛かったですね。

 数年後に、3人の、春花との出会いを奇跡みたいに思い返すのはきっと真維さんなんだろうなと思います。

チーム富士川 / アルバム:『RAY』

 1st、2ndともに文句なしに(方向性は大きく変わったものの)「面白いラジオ」をやって、みごと2ndシーズン第1位を勝ち取ったチーム富士川。物語的には、チーム富士川はやはり岡崎と対比される存在です。それは年魚市すずと二兎春花の関係性というところに留まらず、彼女たちのチームとしてのあり方が岡崎と対照的でした。

 チーム岡崎が、仲良し3人組がラジオの在り方にぶつかっていくチームだとすれば、チーム富士川は、ラジオを通して、バラバラだった3人が繋がっていくチームでした。要所要所で金明さんがクリティカルなことを言うのが良かったですね。それとゆいすず。

 『RAY』は近年のBUMPの傾向を決定づけたアルバムだったと思っていて、『ray』に代表される楽曲群は、無鉄砲では無い前向きさ、別れだったり、挫折だったり、そいったどうしようもないものを受け入れた上でも、信念を持って前へ進んでいく意思のようなものが、明確になった一枚だと思います。これまでを受け入れて、前へ進んでいく彼女たちにぴったりかなと。

年魚市すず / 『虹を待つ人』

そのドアに鍵は無い

 年魚市すずは「鍵の無いドアを開けられた」人間です。他ならぬ二兎春花によって。だからこれは彼女に向ける曲では無くて、彼女から向けられる曲でもあります。

 年魚市すず、マジで凄かった。喋りが上手いのは言うまでも無く、1stのときの友達事件とか、2ndのポエム大学受験事件とか、あんなに顔がいいのにマジかコイツってところで狂わされてました。春野さんの演技も絶妙でしたね。

 彼女なりに上手くいかないところ、ズレてるところは明示されつつ、そんなこちらの心配をよそに思い切り走りきった彼女はとても主人公然としていました。かっこいいんだよな、やっぱり。

白糸結  / 『morning glow』

あなたを変えようとしたあなたは まだ誰にも出会っていない あなたにも出会っていない

 ガルラジを始める前の白糸結をイメージしました。ガルラジを始めることに対しては一番屈折があったように思います。やってみたら上手くいかなかったことを知っていて、でもそれを上手く受け止められないまま引き摺ってしまっているような。年魚市が白糸を連れていったのは、諦めていそうで全然諦め切れていない、そういうところへのシンパシーもあったんじゃないかな、あったら良いなと思います。

 それにしても、白糸結、あざとさの権化だと思ってるんですけど、生主までやってるのに本人に自覚なさそうなのお前本当にそういうとこだぞ……

金明凪紗 / 『ラストワン』

何度でもなんて無理なんだ 変われるのは一度だけ 鏡の中の人と 交わした希望の約束

 夢を追うという意味で、金明さんは一番ギリギリの場所にいて、ガルラジがほぼラストチャンスだったことは間違いなくて、でも、勝算があったわけではないと思うんですよね。年長者としての振る舞いはしていたけれど、自信があるわけじゃないというのは1stでも示されていたし、前述したように、ときどき年魚市に匹敵するような感傷的な言葉を言ったり、内面にナイーブでロマンチストなところが垣間見えるのが好きでした。

 あと、私事ですがアクリルスタンドプレゼント企画で金明さんのアクリルスタンドを戴きました。本当に嬉しかったです。ずっと大切にします。

 

 ※番外 ゆいすずイメージソング

 すず→ゆい / 『グッドラック』

 君と寂しさは きっと一緒に現れた

 ゆいすずは将来ルームシェアするので、ちょっと曲とニュアンスが違ってしまうんですが、BUMPで誰かに向けた歌を選ぶと大抵別れの歌になってしまうのでその点は目を瞑っています。

 ガルラジが終わって会う頻度が減って白糸に会えなくなって寂しくなって連絡するのぜったい年魚市の方からであって欲しい。いやだって年魚市があれだけ好き放題出来たの絶対白糸が隣にいたからですよ。どこかで白糸がブレーキ踏んでくれるだろうって思ってる節があって「もうこれ完全にバディじゃん……」って思いながら聴いてました、特に2ndシーズン前半。どうもまだ白糸のことをなんか隣にいると面白い存在以上に思っていない節がありますが、はやく気付いてくれ、というか気付かせてもらってくれ……

 ゆい→すず / 『サザンクロス』

その胸にしまった火に憧れた 飲み込まれて消されてしまいそうで 夕焼けみたいに温かくて 寂しくて強かった その火に

 ゆいすずは将来ルームシェアするので以下略

 ひょっとして白糸さんちょっと年魚市さんにまだどこか引け目を感じてるんじゃ無いですか? ただ憧れる段階はもうとっくに乗り越えてるよ、そのまま行って大丈夫だよ絶対届くって白糸を選んだ年魚市を信じて欲しい。「私たちが二兎(210円)を選ぶのは最初から決まってたこと」とか言ってる場合じゃないんだよ1stの時を考えれば年魚市はそういうの全然気付かないんだから白糸から行かないとダメなんだよ……きっと連絡は向こうから来るからそのときにちゃんと気付いてくれ頼む……

チーム双葉 / アルバム:『COSMONAUT』

 気を取り直して、チーム双葉。「姉妹」ということ以上に、「家族」がラジオをやるということにとても真摯だったんだな、ということを、2ndシーズンを通して気付かされました。あと花菜がいることもあってかわいらしさに溢れていたラジオでもありました。要所要所で花菜のノリが良いの本当に良かった。

 『COSMONAUT』は『RAY』の一つ前のアルバムで、ちょうど過渡期だったんじゃないかなと思っています。これまでの勢いが影を潜め、全体的にあんまり明るさがなくて、祈りのようなものが満ちているように感じられるアルバムです。個人的には一番思い入れのあるアルバムだったりします。

 2ndシーズンであんなあらすじを提示されてしまったため、3人がバラバラになってしまうんじゃ無いか、時間と社会に流されて、ガルラジの終わりとともに失われてしまうものがあるんじゃないか(岡崎が「別れ」なのに対して、双葉から予感されたのは「喪失」でした)と思ったりしていたときに、このアルバムを充てたんですが、結果的に大丈夫になって本当に良かった。家族の愛情は偉大で、とても強かでした。

玉笹彩乃 / 『イノセント』

子供じみていて恥ずかしいよと 馬鹿にしたけど 恐らく自分より 素直で勇敢なだけ 

  僕は玉笹彩乃さんに本当に謝らなくてはいけなくて、特に2ndシーズンに入ってから、提示されていたあらすじのこともあって、「他の二人に比べて何も持っていない」という彩乃に、学生時代の鬱屈を見出して過剰に入れ込んでいました。振り返ってみても、本当に良くなかったです。ごめんなさい。

 だからあまりに自省的、一歩間違えれば自虐的にも聞こえてしまうこの曲も、取り下げるべきなのかもしれないんですが、それでも彩乃にそういったものが全くなかったかというとそうではないと思うので、そのままにしました。これが彩乃だとはもはや思いませんが、彼女が聴いたときに感じるところはあるんじゃないかな、と。

玉笹彩美 / 『beautiful glider』

 羽根の無い生き物が飛べたのは 羽根が無かったから

 玉笹彩美は本当に格好良い。19歳ニートでアイドル志望、社会常識に冒されている我々からはとても危なっかしそうに思えてしまうんですが、彩美は彩美自身のことをとてもよくわかっているから、そんな我々の不安なんてどこ吹く風で自分の思ったとおりになんとかしてしまうんですよね。最後にYoutuberになったのあまりにも彩美で本当に爽快でした。受け売りになりますけど、主人公というかもうヒーローですよね。当たり前に家族のことを大切にしているところも。

 それでも、彼女自身の中で色々考えているのかも知れないし、悩みもあったのかも知れない、それでも、彩美はそうあることを選んだんだろうな、ということを、この曲を聴きながら考えていました。

玉笹花菜 / 『ウェザーリポート』

あなたの その笑顔が 誰かの心を許すなら せめて傘の内側は あなたを許して どうか見せて欲しい 

  花菜のことで一番印象に残っているのは、1stシーズンの友達、なおちゃんとの別れだったりします。1-5の「試行回数が足りない」から始まる花菜の独白は聞くたびに今でも泣きそうになる。この曲を聞いたときに、花菜となおちゃんの学校からの帰り道の光景が思い浮かんで離れなくなってしまいました。

 花菜は聡明だから、相手のことを考えて何も言わない、ということも出来ると思うんですよね。でも、言葉にして伝えることの大事さを、花菜はガルラジを通して実感しているはず。花菜の言葉のおかげで彩乃は前に進むことが出来たのだから。

チーム徳光 / アルバム:『jupiter』

 さて、何から書きましょうか……。

 まず、チーム徳光の位置づけがガルラジの中で特異だった点について。岡崎、富士川、双葉の3チームにとってのガルラジは「彼女たちが、ラジオを通して物語を作っていく」であったのに対して、当初のチーム徳光、つまり手取川海瑠にとってのガルラジは「物語そのもの」でした。だから1stシーズンで一番フックが強いのは徳光で、手取川海瑠の世界に、感情に一気に引き込まれてしまった。ガルラジが地方というものをコンセプトとして打ち出している以上、地元と東京というテーマを持つ物語があることは、必然的でもあり、そして僕も含め、それは多くのリスナーに刺さった。

 小説を読むと、手取川がラジオそのものが純粋に好きだったわけではなく、母親と東京の存在をそこに見ていたことがわかります。手取川にとってラジオをするということの意味づけは、ラジオの外部にあった。だから、「ラジオで物語をする」のではなく、「ラジオをすることが物語」だった。それでもあれだけラジオ出来てしまうというのは、やっぱり天才なんだと思いますが。

 しかし、ガルラジは、「物語であり物語でない」コンテンツです。結果から見れば、2ndシーズンを通して、手取川海瑠にとってのラジオから、そういった意味づけは薄れていったように思います。言うまでも無い、吉田文音という存在によって。1stシーズンでは「たったひとりの反抗」でしたが、「たったひとり」でも、「反抗」でも無くなってしまった。ある意味、ガルラジによって一番大きなものを失ったのは手取川海瑠かもしれません(ラジオでは「成長」という言葉が使われていましたが、これをそう呼ぶべきかどうかは意見が分かれるところだと思います)。

 でも、その代わり、手取川は、ラジオが好きになったと思うんですよね。僕はその一点だけで、良かったな、と思えています。彼女にとっての幸い、なんてことを考えるのはおこがましいことなんですが、それでも。

 と、まあつらつら書いて来ましたが、こんなのは全部終わってしまったから言えることで、聞いているときは振り回されっぱなしでめちゃくちゃ楽しかったです。ラジオを聞いて息切れするなんて体験初めてだったよ……。そもそも、「屈託を抱えた人間がはちゃめちゃな人間に会ってはちゃめちゃになっちゃう」のが大好きなので、2ndも本当に推してました。1位とれなかったのは素直に残念に思ってもいます。

 さて、アルバムですが『jupiter』を選びました。言わずと知れた、メジャー一作目のアルバムです。強いストーリー性を持った楽曲群は、今聞いても全く色褪せません。ちょうど、手取川海瑠の年齢の頃に出会って、今までずっと聞いてきたんだな、という郷愁もあったりします。ガルラジという物語に、立ち向かった彼女たちに。

手取川海瑠 / 『ダイヤモンド』

何回転んだっていいさ 擦り剥いた傷をちゃんと見るんだ 真紅の血が輝いて 「君は生きてる」と 教えてる

  何を書こう……。上で言い尽くしちゃったところもありますが、あらためて向き合うとうまく言葉が出てこないですね。

 1stの時の手取川に引き込まれたことは間違いなくて、それが2ndで失われてしまったことに対しての寂しさはもちろんあるんですが、それを受け入れられてしまっている、というか「1stの頃の方が良かった」と言ってしまうことに対する感情レベルの忌避感みたいなものが自分にはあって、だからこそ2ndでああなったことに対して良かったな、と思っているところもあります。ひょっとすると彼女にあんまり真剣じゃ無かったのかも知れないなとか思うとしんどくもなるんですが。

 長縄まりあさんが、彼女に本当に真摯に向き合ってくれていることが、キャストトークの端々から感じられて、感謝しか無いです。チーム徳光は吉田さんも含めてキャストに本当に恵まれたなと思います。

 選曲については、説明しなくてもいいかなと思っています。彼女に送るつもりで選びました。

吉田文音 / 『メロディーフラッグ』

作り笑いで見送った 夢も希望もすり減らした 変わる景色に迷うとき 微かな音が目印になる

 吉田文音のことは最後までわからなかったですね。彼女が「ギャル」であるということは振る舞いに長けていることに最も現れていたと思います。地元が良い、という発言に至るまでの彼女の中に、どんな葛藤があったのか、あるいは無かったのか、こちらとしては本当に想像するしか無い。

 それでも、手取川のことは、本当に好きだった、ということは間違い無くて、それは彼女のエゴが発露した徳光2-4事件があったから、というのが大きいんですが、おかげで少なくともそれだけは信じることができたのは良かったと思います。2-4から2週間は地獄でしたが……。彼女にだってそこまで余裕があるわけじゃ無いんですよね。

 選曲には、彼女はこうだったんじゃ無いか、こうあって欲しいという願望が入っています。ひょっとすると、手取川海瑠は、吉田文音にとってのメロディーフラッグだったんじゃないかって。

 ちなみに、手取川が東京に行った後、吉田文音手取川のところに行けるのかという(悪い)話があって、僕は行けないだろうという立場を取っています。手取川にバイクの免許取って迎えに行ってもらいたい。

チーム御在所 / アルバム:『present from you』

 1stのときは思っていなかったんですが、徳光と対比されるのは御在所だったなと思います。設定レベルで一番フィクショナルな存在であったが故に、ガルラジという物語からは一番自由でした。それが、2ndシーズンでは100点満点のラジオをして、そして何より、「遠くまで声が届いて、手紙が届く」というラジオの本質を受け取ることが出来た。徳光が、ある意味(手取川にとっての物語であった)「ラジオ」から脱却するチームだったことに比べると、御在所は、物語では無い、純粋なラジオを見つけることが出来たチームだったんじゃないかなと思います。そしてそれは、フィクショナルな彼女たちがそうでなくなっていった、ということでもあります。

 『present from you』は、当時(2008年)までのシングルB面を集めたアルバムで、アルバムを通したテーマ性が一番薄いものです。ガルラジという物語の外部に居続けることが出来た彼女たちのことを考えたときに、自然と選ぶことが出来ました。

神楽菜月 / 『バイバイサンキュー』

ひとりぼっちは怖くない 

  神楽菜月はもう既に「何者かである」人間で、そんな彼女が、3人でのラジオを通して少しだけその荷を下ろすことができたのは本当に良かったなあと思います。正直あんなに可愛くなるなんて思ってもみなかった。

 選曲は、父親が離れていった過去、そして彼女がいつの日か旅立つ未来をイメージしました。

穂波明莉 / 『夢の飼い主』

首輪や紐じゃないんだよ 君に身を寄せるのは 全て僕の意思だ

 穂波明莉さんめちゃくちゃ可愛かったですね。一番ダメなやられかたをしていた気がします。声がズルい。途中から明確にギアが上がったの凄く良かったです。

 彼女もかぐりんと同じく、持っている側の人間ですが、家族との確執(ってほどたいしたものじゃ無いのかも知れないけど)を乗り越えて今の場所を手に入れた、成し遂げた人間であると思います。彼女にミルミル呼びされる手取川のことを考えると本当に……。だから彼女には夢の歌を選びました。ひょっとすると、自分の夢に対する向き合い方に悩んでいた時期もあったんじゃないかと思いつつ。

徳若実希 / 『プレゼント』

そりゃ僕だってねえ

  徳若実希を嫌いな人は誰もいない。ガルラジで一番等身大、抜群の安定感、彼女だけは絶対に変わらないという信頼感。2ndシーズンどれだけ彼女に救われたことか……

 選曲、いやちょっと買いかぶりすぎかなって思ったりもするんですが、徳若が当たり前のように持っている優しさ、とにかく何があってもまずは目の前のことを受け入れてみるという、言ってしまえばノベルゲームの主人公気質みたいなところはあると思っていて、こういう曲を充てられるのは彼女しかいないのかなと想います。それなりにオタクで、たくさん物語を読んでいることは間違いないと思いますし。

終わりに

 めちゃくちゃ長くなりました。そりゃイメソンとインプレッション同時にやろうとしたらこうなるか……。もしここまで読んでいただけた方がいらっしゃったら、本当にありがとうございます。

 2019年、ここまでガルラジに囚われるとは想像もしてなかったです。放送があるたびにTLを眺めてあっという間に日付が変わってしまうの、めちゃくちゃ楽しかったです。Twitterがあったことにここまで感謝することも無いんじゃないかと思います。

 ガルラジを通して、パーソナリティの彼女たちも変わりましたが、僕も受け取った分だけ、多分変わったんだと思います。3rdシーズンがあるかどうかはわかりませんが、どちらにしろ、日々は続くので、やっていきましょう。#2019年はガルラジ! 

イメソン記事

最後に、他の方のイメソン記事を紹介。

cemetrygates1919.hatenablog.com 

 

or1eq1.com

nun-tya-ku.hatenablog.com

henai.hatenablog.jp

aruren.hatenablog.com

sorewa-nanikana.hatenablog.com

『七尾さんたちのこと』(著:吉﨑堅牢)

 まず、この記事を読むあなたが『アイドルマスターミリオンライブ!』をある程度知っているという前提で書き出してしまうことを許して頂きたいのだが、あなたが「七尾百合子が自分のアイドル活動について書いた自伝」というものを想像力の限りを尽くして想像して欲しい。あるいは、こんなものが読みたいという期待でも構わない。

 

…………想像していただけただろうか。それでは、以下の小説を読んでいただきたい。なんと無料で読めてしまう。おそらく、あなたが想像をしたもの、期待したものを軽々と飛び越えるものが読めることを保証する。(なお、本作は連載の形式をとっており、次作は秋に発表される予定)

 

 とにかく、解像度が高い。彼女たちがアイドル活動をしている姿が、驚くほどはっきりと目の前に浮かんでくる。七尾百合子の語りで展開されるシーンは、レッスン、バラエティ、握手会、演劇、ライブ、どれも今の世のメジャーアイドルであれば必ず当事者となるであろう場面で、そういった意味ではひねりのない、本当に実直な「アイドル小説」だ。そして、本当におそるべきことに、それぞれのシーンが全て実際にあったことのように思えてくる。喚起されるイメージとしては背景や人物描写が非常に細やかなアニメーション作品が近いだろう(直近で言えば『リズと青い鳥』だろうか)。

 おそらく、綿密な取材・調査に裏付けられているであろう細やかな場面の描写は、それぞれの場でアイドルが何を求められ、何を行い、何と向き合わなければいけないかを残酷なまでに抉り出している。

 「公式」の設定から丁寧に丁寧に掘り下げられた、百合子、紗代子、志保を中心としたアイドルたちの存在感。特に、散りばめられた様々な文学作品からの引用は、小説としての強度とともに、語り手が他ならぬ七尾百合子であるということをどこまでも強く支えている。

 そして何より、アイドル活動へ彼女たちが向き合う思いの瑞々しさ。それは彼女たちを成長という形の変化を与えるに十分な説得力を持たせ、そして彼女たちの成長が成し得る達成は、彼女たち自身はもちろんのこと、『ミリオンライブ!』を知る私たち皆が夢見ているものだろう。

 二次創作として、そして青春アイドル小説として、間違いなく一級品であり、『アイドルマスターミリオンライブ!』を好きでいて良かったと心から思える作品だった。今から秋が待ち遠しい。

最近聴いてるアイドルグループの紹介とか

 これまでアイドルといったら二次元なオタクをやってたわけなんですけど、ここ半年ぐらいで三次元アイドルも少し聴き始めていて、ライブにも何度か行ったりしたので紹介してみる。

Maison book girl

通称ブクガ。変拍子楽しい。

Maison book girl / bath room / MV

 「今のアイドルグループの音楽ってひょっとしてかなり面白いんじゃないか?」って気づいたきっかけで、今一番気に入ってるグループ。メンバーのTwitter・ラジオも面白いし、一番追っかけっぽいことしてるかもしれない。年末のライブではタイムスリップ的な演出を入れてきたりして、現代アートっぽい面白さもある。


Maison book girl “Solitude HOTEL4F” 20171228@Zepp DiverCity TOKYO - Ep.1

sora tob sakana

 通称オサカナ。ポストロック!


サカナ日記27日目 「広告の街」ダンス映像

 楽曲を提供している照井順政さんはハイスイノナサやsiraphというオルタナロックバンドで活動中の人で、最近ではアニメ『宝石の国』のOPテーマの作曲でも話題となった。聴いてみればわかる通り、ゴリゴリのサウンドを鳴らしている。一方でパフォーマンスだったり白を基調とした衣装だったりは正統派な瑞々しさが溢れていてその対比が凄く良い。ちょうど今月メジャーデビューし、アニメ『ハイスコアガール』のOP曲も担当することになり、勢いがあって今後も楽しみなグループ。


sora tob sakana/Lightpool(Full)

amiinA

読み方は「あみいな」。神話的スケール。


amiinA『Atlas』MV

さっき紹介したオサカナ主催の、今年の2月に中野サンプラザで行われた「天体の音楽会」というフェスイベント(楽曲派寄りのアイドルと硬派なロックバンドが互いにステージに出てくるイベントで最高でした)でステージを見て惹かれて、今月のワンマンライブも観に行くことを決めてしまった。とにかく曲のスケールが音楽・歌詞ともにデカくて圧倒される。今アイマスもイベントをやってる「DMM VR THEATER」でのライブ映像を観たんだけど、VR的な演出が幻想的な楽曲と最高にマッチしている。


amiinA『Avalon』DMM VR THEATER Live

 

フィロソフィーのダンス

通称「フィロのス」。ちょっと懐かしさも感じるイイ感じのダンスミュージック。


フィロソフィーのダンス「ダンス・ファウンダー」MV

 本当にここ数日で聴き始めたぐらいなんだけど、凄く良い。「Funky But Chic」がキーワードらしく、イイ感じにノれるファンキーさと、上品さ・洒脱さを感じる音楽で聴いていて心地好い。ボーカルが歌唱メンバーごとに特徴があるのも良くて、日向ハルさんのハスキーで力強い声と、十束おとはさんの萌えっぽい甘い声が一つの楽曲から聞こえてくるのは結構癖になる。あと単純に歌唱力が凄く、以下のようなバラード曲も見事に歌い上げている。


フィロソフィーのダンス「ジャスト・メモリーズ」MV

 

 以上、4グループ紹介してみました。聴き始めて驚いたのは、楽曲の多様さとそれぞれの質の高さ。「アイドル」という枠組みでどこまでやれるか、みたいなところも感じられて、結構自分の性に合ってるなあとも思ったり。今後も気に入ったら積極的に聴いたりライブ行ったりしてみたいですね(チェキとかは行く勇気無いけど……)。

アイドルコネクトについて 『Star*Trine』発売記念イベントを終えて

2017年9月17日は、どうやら忘れられない日になりそうだ。

『アイドルコネクト』( http://www.idolconnect.jp/ )という二次元アイドルコンテンツがある。大元は、2016年8月にリリースされ、僅か3ヶ月でサービスが終了したスマホ向けアイドルゲームである。

わざわざ「コンテンツ」という言葉を使ったのは、サービス終了後も、「ストリエ」で細々と新作エピソードの更新( https://storie.jp/creator/61294 )を続けていたり、未発表曲を収めたアルバム『キミが一度笑うなら、千回わたしは歌うんだ。』(しかし何度読んでもエモい表題だ)を発売したりと、なんとか活動を続けていたからである。

この際言ってしまうけど、この展開を追っかけていた人たちにとって一番大きな思いは未練だったと思う。本来であれば、他の数多くの二次元アイドルコンテンツと同様に、ゲームというプラットフォームを中心に展開されるはずのものが、それを失ってもまだ進み続けているという状況は、まあ、いろいろな比喩が思いつくと思うけど、少なくとも純粋に前向きなものではないだろう。

そんな中、2017年7月末に、登場アイドル全員が歌う、いわゆる全体曲として『Star*Trine』の発売発表と共に、発売記念ミニライブイベントが発表された。もちろん嬉しかった。彼女たちの歌を聴ける機会なんて訪れないと思っていたから。でも、このイベントがどういう意義を持ちうるか、ということについては、これまでの状況を考えれば、少なくとも自分の中での一番現実的な回答は「覚悟」だった。

ここで『Star*Trine』の歌詞をいくつか引用しておく。

"繋げていたい 星が足りなくても キミに放つ スタートライン"

"終わりの場所気づいても 星をたどり(星座結び) つなげていくの*キミ*まで!"

"初めの気持ち、無限の夢に変わる 「自分でありたい」 いつか笑う自分に ゆびきりをした"

 

当日は台風が近づいてきており、開催も危ぶまれたが、幸いなことに17日中はまだ関東には届かず、来場者も十分に集まっていて、まずその点で安心した。自分の列は前から4番目で、比較的ステージがよく見える場所だった。席には恵まれていたほうだろう。出演者はアイドル9人の中の3人、「春宮空子」役の森千早都さん、「瀬月唯」役の相坂優歌さん、「高花ひかり」役の芝崎典子さん。「せめてソロ曲が聴ければ……」、という思いで開演を待っていた。(以下、一気に書きます)

20:00、会場が暗くなり、始まるイントロ。まさかのソロ曲からのスタート! 空子を思わせる衣装で、『空になるよ、このハピネス』を歌う森さん。びっくりしたのが、ダンスの振りが本格的だったこと。「ちゃんと”ライブ”をやってくれるんだ!」ということに、まず感動していた。少なくとも、ちゃんとこの場を「ライブ」として作ろうとする意思が感じられた。その後、ひかり役、芝崎さんの歌う『spica heart』、唯役、相坂さんが歌う『恋する私←New!』が終わってMC。このイベントが開催されたことに対して、演者としても驚きだった、と冗談めかしながら話す様子に救われた気分になった。キャラクター同士としてののわちゃわちゃも見られてだいぶこの時点で気分は上向いていたと思う。そして「まだ終わりじゃないからね」というような旨を言われ、「えっ?」と思う間もなく、「がんばってね、空子」と唯として声をかける相坂さんと、それに続き舞台袖に下がる芝崎さん。そして、空子、もとい森さん一人がステージに立ち、なんとソロの2曲目が始まる。まさかの連続だ。1曲目の時よりも自然と応援に力も入る。空子曲『青春ハイタッチ』でクラップを煽る森さん、アイコネ一難しいだろうひかり曲『あなたらしく私らしく』を歌いきる芝崎さん、『WHITE PAGE』の唯として完璧なパフォーマンスを見せる相坂さん。そして2回目のMC。興奮冷めやらぬ中、スクリーンが下りてくる。写されるのは『アイドルコネクト』のキービジュアル。この日三度目のまさか。そして発表される「ノベルアプリ化決定」の報。大歓声の会場。演者さんからの「ノベルアプリだよ勘違いしてない?」。そんなわけがない。それこそが最も望んでいたものだったんだ。そしてこの日歌われる最後の曲はもちろん『Star*Trine』。なんなんだこれは、あまりにも出来過ぎじゃないか。この日一番夢中になってペンライトを振った。ライブが終わり、最後のあいさつは「またね」。この言葉を信じられるイベントになるなんて思ってもみなかった。演者さんがはけた後も、拍手はなかなか鳴りやまなかった。それはきっと祝福だったのだと思う。

二次元アイドルコンテンツ、というものは厄介なもので、そこで生まれたキャラクター達は、好きになってしまった時点で、少なくとも自分の中で確かに存在してしまう。特にソーシャルゲームという形でそれが提供される昨今では、リアルタイムで更新され続けることで存在を証明し続けるものでもあるだろう。そのような形は確かにキャラクターの実在性を強くしたけど、そのためにはもちろん誰かがずっと動かし続けなければならないわけで。閉じることを明示されない強さは、どこかで望まれない終わりを迎えてしまうというリスクとのトレードオフだ。是非はともかく、そうなってしまっている状況の中で『アイドルコネクト』が終わらなかったことは、本当に幸運だとしか言いようがなくて。そういうものに立ち会えたことを大事にしたいし、イベント前に抱えていた「覚悟」は正反対のものにはっきりと変わった。

 イベント翌日、『Star*Trine』を聴きながら部屋の外に出ると台風一過の青空が広がっていて、こういうことに意味を感じても良いよねと思ったのでこの文章を書きました。
 アイコネ、これからもついていきます。

C91告知 二次元アイドル音楽ガイド、『MIW -MUSIC OF IDOL WORLD-』を頒布します!

告知です! 12/31に開催されるC91三日目に本を出します!
2016年12月31日(土)
MIW製作委員会 (3日目の東2ホール、評論・情報島です)
本のタイトルは、『MIW-MUSIC OF IDOL WORLD-』(ミウと読んでください)。
その名の通り、二次元アイドル音楽のガイドブックです。
今回の本は、大学の先輩であり、二次元アイドルファンとしても同士でもあるシノハラユウキ氏との合同制作です。
内容は以下の通りです。 

また、Twitterでの告知については以下のTogetterや、モーメントにまとめてあります。

Togetter

togetter.com

 ・モーメント

twitter.com

 

 さらに詳細についてはシノハラ氏の告知ブログ記事(http://d.hatena.ne.jp/sakstyle/20161229/p1)にありますので、そちらをご覧いただければと思います。
 
そして僕も「告知ブログを書きます」と言ってしまった手前何か書かなければいけないのですが、本エントリでは個人的なものではありますが、この本がどのような本であるのかを紹介したいと思います。
 
本書の構成は、大きく以下の3つです。
  • 全体分析
  • 作品・作家別ガイド
  • エッセイ 
 ここでは、上記の3つが、本誌でそれぞれどのような位置付けにあるのかを紹介することで、本誌の全体像を示して見たいと思います。

全体分析

 まず、全体分析では、今回扱った作品・楽曲全体を対象として、集計や分析を行うことで、作品ごとの曲数、作家数から、二次元アイドル音楽を俯瞰的に捉えることができるようになっています。例えば、

  • アイマスラブライブうたプリはそれぞれどのくらいの曲数があるのか
  • 二次元アイドル全体として10年間でどのくらいのペースで曲が増えてきたのか
  • 二次元アイドル楽曲で多く曲を書いている人は誰か
  • 多くの作品にまたがって曲を書いている人は誰か

など、単一の作品を追いかけることだけではなかなか見えにくいものをデータとしてまとめています。さらに、今回は、共通している作曲家から、作品同士の類似度を定義・算出し、それをマップとして可視化しています。その結果として、全体分析は、「作品間の音楽面での繋がり」を示すものになっています。 

作品・作家別ガイド

 次に、本書中で圧倒的な文量を誇る作品・作家別ガイドについて。こちらは、作品ごと、及び作家ごとに、プロフィール及び楽曲を紹介しているものとなっています。作品別ガイドでは、楽曲及び作家から、その作品における音楽性の紹介を、作家別ガイドでは、各作家について、二次元アイドル関係に留まらず、むしろ、二次元アイドル作品「外」でどのような活動を行なってきているのかに着目した紹介となっています。例えば、三次元アイドル曲の作曲家さんだったりボカロPだったり、プロのミュージシャンであったり、といったような。紙面レイアウトとしても、音楽会社など所属によって作家をグルーピングしているため、作家さんのパーソナリティを見やすい構成となっています。その結果として、本ガイドは、二次元アイドル楽曲についてのガイドであることは言うまでもなく、その枠を飛び越えた、「二次元アイドル作品とその外部の音楽面での繋がり」を示すものになっています。

エッセイ

 最後に、エッセイについて。今回、二次元アイドル音楽についてのエッセイをゲストの方々にお願いし、いずれも読み応えのある、素敵な作品をいただくことができました。一つの作品における音楽性に深く切り込んだものから、三次元アイドルや宝塚などの外部との繋がりを示したものなど、これらのエッセイのみでも十分に本として出せるくらいのバリエーションと深みのあるものとなっております。
 そして、何より、エッセイには書き手の方々の、二次元アイドル音楽への「想い」が込められています。本誌は主に作家(作り手)にフォーカスを当てた本となっておりますが、もちろん、音楽は聴く人がいてこそ成り立つものです。本エッセイはそんな聴き手の方々の声であると言えます。つまり、これらのエッセイは「二次元アイドル音楽と聴き手の繋がり」でもあるのです。

まとめ

 少し長くなってしまいましたが、本誌は二次元アイドル音楽ガイドとして、基本的には物量勝負のデータブックではあるのですが、上記に挙げたものを始めとした、様々な「繋がり」を見つけることができる本でもあると思います。
 まさに、二次元アイドル音楽を様々な面から味わい尽くせるものとなってると思いますので、二次元アイドル音楽に少しでも興味のある方は、是非とも手に取っていただければと思います。よろしくお願いします!